記憶にございません!のレビュー・感想・評価
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コメディかと思って観に行ったら笑わそうとするシーンがまったくなくて...
コメディかと思って観に行ったら笑わそうとするシーンがまったくなくて印象に残ったのは中井貴一の大げさな演技だけだった
これだけつまらない映画は記憶にございません
レビューが良くて初日に鑑賞。
ここのレビュー評価良すぎて不安になる。
テンポ悪い、このご時世でこのタイトルだけど、政治的な風刺の要素が全くなく楽観的すぎる。
テレビでみれば充分。宣伝にみなさん惑わされないで。
物足りなくて…
ベテラン俳優が揃うとコメディがただの笑いじゃなくて洗練される
爆笑だけがコメディじゃないんだと再認識
だから私は古畑任三郎が今でも大好き
あれ…貴一さんは古畑任三郎出てなかったのか…
佐藤浩市さんも…
随所でクスッとできるシーンあったけど、何か物足りなくて…
その「何か」がわかった
ダメ総理もっと見たかった
悪態ついて支持率低めで史上最低といわれて石投げられるなんてサイコーキャラ🤣
TVに少ししか出てなかったけど、そもそもその総理からもっと見たかった
だから今回は評価3
僕の夢は、将来政治家になって総理大臣になることです
石が当たって記憶をなくす、史上最も嫌われた総理。三谷監督特有の味付け映画で、はじめデオチか?と心配してしまったが、好い人になってしまった総理の思いに周りが巻き込まれ、なんだやっぱり、皆も初心は純真だったんじゃないかと和ませ、しっかり伏線回収し、ラストはいい話でエンディング。
たぶん今、これが現実にも起こってほしいと願う人は多いでしょう。
懐かしさを超えた省エネスーツ
金と権力に溺れた腹黒総理大臣が記憶喪失になり、人格が変わってしまう話。
病院で意識が戻るも記憶喪失でパニック状況とはいえ、いきなり病院を抜け出すは、金もないのに飯屋に入るは、酔っぱらいに自分が誰かを問うたりとスジの通らない無茶苦茶な始まりで支離滅裂だな…と思ったが、まあコメディだしと頭を切り替えてみてみたら、記憶が無いおかげで?黒さもなくなり良い人に。
国民に嫌われ家族からも疎ましがられていた主人公が、秘書官に助けられながら勉強し、ちゃんと政治を行おうと奮闘しつつ、家族とも向き合って行くストーリー。
主人公はもちろん周辺人物もハチャメチャ非常識なヤツばかりでそんなアホなという笑いどころたっぷりな進行に、ちょっとだけほっこりな流れもあるマジメに考えちゃいけないドタバタ劇という感じで面白かった。
どうでも良い話だけど…自分も好きなタイプですw
皮肉たっぷり
まあ、誇張は相当程度あるにしても、政界なんて、こんな程度のもんだろうと思わせる、皮肉たっぷりのコメディだ。
悪役が、正義の味方に転向し、本物の悪を退治する勧善懲悪さ加減もなかなか突拍子もなくて、笑えて楽しい。
でも。変わるポイントは、もともと良心を持ち合わせていたか否か。そんなことも折り込まれてて、ちょっとホロっとさせるところも。
「腹を割って話そう」とか、「家族が第一」とか、もし政治家からそんな言葉が出たら、大概の人は、「またまた〜!!」って思うじゃないか。
もし、安倍さんの頭に石が当たったら、オツムじゃなくてお腹がまた壊れるんじゃないかとか、
もし、麻生さんだったら、もっと顔が歪むんじゃないかとか、
管さんだったら…、あっ、官房長官は一番悪いやつだから、石当てないで退治しなくちゃだわとか、
二階さんだったら、もう。お二階から降りてこれなくなっちゃうんじゃないかとか、
ブラックジョークを考えながら観たらもっと楽しいと思います。
是非、アヘさん、アホウさん、スカさん、お二階さんには観て欲しいですね〜。
あっ、それと、有働さんと、Rollyには気がつきませんでした。
有働さん、NHKを辞めたら何でもできるんですねえ(笑)。
戸田恵子さんと香取慎吾さんが欲しかった
三谷作品と言えば、人情芝居と大団円。
役者の演技が上手いので、多少の無理やり感があっても味になります。
セリフやキャラクターの伏線を後半に一気に回収していく手腕は健在です。無理くり感があってもコメディだと許せる範囲です。
三谷監督作品には、馴染みの俳優さんが多数登場します。年代順に見ていくと面白いので、まだ三谷作品を観たことがない方にはラジオの時間からの鑑賞をお勧めします。
ともあれ、頭を使わずに次の展開はどうなる?とワクワクしながら安心して見られる大衆向け娯楽映画です。
家族での鑑賞をお勧めします。
しかし、戸田恵子さんと香取慎吾さんがどこかで出てくるのでは?と期待していましたが、今回は出演されていなかったようで残念でした。
三谷監督作品にパッと明るくなるキャラクターとしてお二人が登場するのが好きなので、次回作では出演されると良いなぁと淡い期待を寄せてます。
大筋では面白いのだが…
史上最悪の総理が記憶喪失となって生まれ変わり、一切のしがらみなく改革を進めていくという設定は大衆向けの映画として面白く5点満点。
このタイプの映画で重要なのはリアリティ。0か1でもなければ白か黒でもない政治という複雑な世界観にどれだけ説得力を持たせられるかが鍵となる。それによって全体に散りばめられたユーモアが効いてくる。実際、序盤を中心に笑えるシーンは多かった。
しかし…監督・脚本の三谷幸喜、この映画を小学校低学年向けに書いたのだろうか。中盤以降、本当にしょうもない茶番脚本によって現実に引き戻されてしまった。
なぜこんな脚本になったのか。書いてる途中で面倒くさくなったか、あるいは監督自身も記憶喪失になって小学生時代のギャグセンスに戻ってしまったのか。
いずれにしろ大筋では面白かったが、最終的には「くっだらねー」といういつもの感想で上書きされてしまい、紛ごうことなき安定の三谷幸喜映画である。
シェイクスピア級の大傑作
「記憶にございません」という台詞は、1976 年に起こったロッキード事件の際に、国会で証人喚問を受けた何人もの証人たちが、「覚えていない」という返答をするのに使った言葉で、当時の流行語となった言葉である。脚本家の三谷幸喜は、この言葉からインスピレーションを受けて、本当に総理大臣の記憶がなくなったらどうなるか、というアイデアで書き始めたものであろう。秀逸なアイデアを映像化して見せてくれただけではなく、数々のパロディで爆笑を呼び、なおかつしんみりさせてくれるところもあり、さらには観客をも騙す壮大なトリックが仕掛けてあるという大変な名作であった。
この作品の成否は、まさに脚本そのものにある。一辺倒なお笑いや、予定調和のストーリーでは現代人の本心からの笑いや、共感や感動を呼ぶことはできない。全編に仕掛けられたサービス旺盛なくすぐりや笑いの仕掛けは、実に巧妙である。政治ネタに詳しい人も詳しくない人も、それぞれのレベルに応じて笑えるように作ってあるのには非常に感心させられた。しかも、登場人物それぞれの価値観や振舞いが非常に現代的であり、不倫や引きこもりや家庭内不和といった道具立てもよく見るものばかりである。こうした世界で見る者の気持ちを思うままに操る三谷の手腕は、もはやシェイクスピアの域に達したと言うべきかもしれない。映画でなく、これをそのまま演劇としても上演できそうなほどコンパクトに書けている。
役者はそれぞれ演技の幅の広さを見せてくれていて、主演の中井貴一は流石であるし、草刈正雄の上手さと凄みは流石であった。ディーンフジオカや小池栄子、石田ゆり子と斉藤由貴らもそれぞれ芸達者なところを見せてくれていた。木村佳乃の英語の発音は完璧であったし、吉田羊のような野党議員はいかにも実在しそうであった。田中圭は、これがあの「あな番」の翔太くんと同じ人かという引き出しの多さを見せてくれた。意外な出演者にも驚かされた。中井貴一の昔の恩師を演じていたのは山口崇で、何と御歳 82 歳。かつてはダンディなイケメンでタイムショックの司会者を務めたほどの人が、まるで印象が変わっていたのには本当に驚いた。特殊メイクでも使っているのかと思ったが、どうやら素の姿らしい。通訳を演じた宮澤エマは宮澤喜一元首相のお孫さんであるなどのサプライズも豊富だった。
音楽は、三谷作品常連の萩野清子さんで、軽妙で邪魔にならない音楽をつけていた。それぞれの役者の底力を引き出していた三谷監督の演出も見事であった。お勧めの名作である。
(映像5+脚本5+役者5+音楽4+演出5)×4= 96 点
笑いを堪えるのに必死だったけれど
とても日本の映画として完成されておりました。
エンターテイメントとしても勿論楽しめますし、何より心が温まる物語でした。
印象もよくもう一度見る時はおまんじゅう味のポップコーンを食べながらみたいです。
本当に随所に笑いが仕掛けられておりまして、劇場の皆様は笑っておられましたが僕は堪えきりましたからね)(`・ω・´)
面白かった。気楽に観れる映画。
政治家の記憶にございません。
本当に記憶なくなったらどうなるんだろうを面白くいじってて
気楽に終始楽しく観れた。
さすが劇場型映画を作るの上手いなと。
やっぱりTVで観るよりも画面の大きい映画館で観て正解だった気がする映画。
ちょっと観るかどうか迷ったけど、まあ観といて良かったかな。
気楽に楽しめて良かった。
☆☆★★★ 『MR.KURODA GOES TO NAGATACH...
☆☆★★★
『MR.KURODA GOES TO NAGATACHO』
主演 ジェームス・スチュワート=中井貴一
ジーン・アーサー =小池栄子
話の取っ掛かりとしては「裸の王様」辺りが在ったのかも知れない。
それと、観ていて感じたのが。
記憶をなくす=史上最低の総理大臣が無垢なる男に変身するとゆう点から…。
ハル・アシュビーの名作『チャンス』を少し想像した。
だからか、或る人物との密会場面。無垢な人物へと変身した中井貴一は、その誘いをスルッと交わす。
おそらく、当たらずとは言えども。多少の参考にはしたのではなかろうか?
政治を扱うのだから。政治に於ける寓話を、チャンシー・ガーディナーとゆう無垢なる人物を介して描いた名作『チャンス』は。世代的に考えても三谷幸喜には大好物の筈だ!
後半は、新しい人格を手に入れた事で。国民の気持ちに寄り添う大事さを知る総理大臣となるべく奔走し、巨悪と立ち向かう話となる。
それは、子供の頃から持っていた。自分本来の心の本質に気付く…。
まあ、話の流れとしては分かりやすい。それを巧く料理すればヒューマンストーリーとして悪い内容とは思わない。
…のだが!
どうやらこの架空の国では、まだSNSの存在は無いらしい。
それらの事を何とか理解して観てはいたが。数多くの理解し難い部分が多過ぎてしまい…。途中から幾度となく「理解しろ!理解しろ!」とゆう心の葛藤と闘う羽目に陥ってしまった。
それは何故かと言うと。作品全体の薄っぺらさが余りにも酷すぎてしまっていたからに他ならない。
まさか、昨日観た『かぐや様は告らせたい…』よりも薄っぺらく、中身も無いとは(´-`)
くだらなさに特化している分だけまだ『かぐや様…』の方が…。
比べるモノじゃないのは重々承知の介ではあるのだが、肝心要の巨悪が単なる小物にしか見えないのがもうどうにもこうにも(。-_-。)
何せ巨悪を倒す際に発せられるカタルシスが皆無なのは如何ともしがたい。
また、観ている間に。「これとこれと、後これは書き込まないと!」…と思いつつ。観終わった直後から、全てが脳内から完全に消え去っているとはʅ(◞‿◟)ʃ
「本当に記憶にございません!」
これ狙って書いてませんから(p_-)
或る意味では、娯楽映画としてのあるべき姿なのかも知れないが。それにしても…_| ̄|○
おそらくは、『ギャラクシー街道』よりは肯定的な意見が多いとは思うのだけど。三谷幸喜とゆう人物を知る…とゆう意味では、個人的にはまだ『ギャラクシー街道』の方が観るべき部分が多かった様に感じている。(少数意見でしようが)
ただ一つだけ褒める部分が有るとしたら…。
いや、有る!
主演の中井貴一はとても良かった。それだけは強調しておきたい。
後もう一つ。三谷幸喜に共感出来るとしたら…。
石田ゆり子は俺だって◯イプだ!
2019年9月13日 TOHOシネマズ西新井/スクリーン5
好きなタイプなんだ。
はい、私もです‼️
たぶん圧倒的多数の男子が共感ボタンをクリックしてたと思います。黒田総理ならずとも、石田ゆり子さんが自分のもとに帰ってきてくれるのならば、許すも何もすべて受け入れちゃいます。
11月公開の『マチネの終わりに』の洋子は、生まれついての優雅さや気品、知性、気高さといったものに恵まれていながら、強さと裏腹の内省的な脆さを抱えた難しい役どころ(あくまでも原作からの個人的なイメージですが)。見かけの比較や相対化という次元では語れない内面からにじみ出る美しさが魅力の女性です。どんな雰囲気に演じられたのか今からとても楽しみです。
政治を舞台にした作品の難しさ…ピリッと皮肉を効かせるのか、建前が優先する世界を大げさに描いてバカバカしさを際立たせるか、はたまた意外に重いテーマを正面から取り上げるか、或いは『瓢箪から駒』みたいなチャンスから大逆転勝利‼️といった痛快なストーリーにするか。
そのような観点から期待してみると、映画的にはやや中途半端な感じがするのですが、これが舞台劇であり、役者さんたちの真剣勝負と思ってみると、とても密度の濃い充実感の溢れる作品だと思います。
仮想の舞台という狭い空間を前提にした場合、役者と観客が対峙する中で、支持率とか世論という言葉に化体されて表される一般大衆はあまり必要とされないのですね。だから、世間の代表として正義を振りかざすマスコミというステレオタイプの描き方もしていないし(あの有働キャスターを見れば一目瞭然‼︎)、寺田進さんもひとつのキャラクターではあるが、決してただ哀れで弱い庶民としては描かれていない。
政治や社会への批判とか皮肉とかメッセージ性を期待して観てしまうとその勘違いのせいで、とてもつまらない作品に見えかねないし、その方面の期待を持って観る人にとっては中途半端な描き方だとの怒りさえ覚えるかもしれません。
その意味で、敢えて映画という媒体を選んで舞台劇の醍醐味で勝負に出る三谷幸喜さんの覚悟は素晴らしいと思います。
そして感謝致します。
もし舞台劇だったら、一定数の人しか、これだけのメンバーの競演をなかなか観ることができないのですから。
【ドタバタ政治コメディかと思いきや、琴線に触れる場面が随所に描かれる中年男自身とその家族の再生物語であった。】
ー 優れたコメディ映画は笑いと琴線に触れる場面のブレンド具合が重要だと思う。又、笑いにはブラックな笑い、シニカルな笑い、エキセントリック笑い等々様々な笑いがあることも万民が知っていることである。ー
1.前作、三谷監督はシュールでエキセントリックな笑いに挑戦した。
ーで、大変な目に会ってしまった・・。ー
2.今作は前半からくすくす笑える場面が随所に正攻法で出てくる。良い感じである。
3.頭に石をぶつけられた後の黒田総理の言動の数々とそれが後半の場面に効いてくる設定の上手さ。
・さくらんぼの陳情団とのやりとりと、その後のアメリカンチェリーの件
・SPの方々にも食事を摂るように勧める場面と、後半総理の危機を阻止するSPとの関係性
・アメリカ大統領とのゴルフの場面での総理と官房長官とのやりとり
・自らがオカシイと思うことをおずおずと、けれど実権を握る官房長官の脅しに怯むことなく突き進む総理の姿を見て、徐々に彼の人柄に惹かれていく側近やゴシップライター達。
◆そして、最後に三谷監督の脚本にやられるのだが、決して悔しくない。
楽しく騙される。(まあ、ちょっと予想できたけどね)
<三谷監督のコメディセンスは枯渇しておらず、幅が広がってきた事を確認できた事を素直に喜びたいと思った作品であった。>
<2019年9月13日 劇場にて鑑賞>
三谷さんらしい話の展開
有頂天ホテルの話の展開の仕方に似てます。
あの展開の仕方が好きな方にはオススメ。
切迫感とか悲壮感とかは一切なしの、ハッピーお笑い映画。
現実思考の私には、好みのテイストがあわずでした。
想像以上に面白かった!
三谷幸喜監督作品でずっと楽しみにしていました。
国民から史上最悪のダメ総理と呼ばれた総理大臣黒田啓介(中井貴一)が演説中に一般市民の投げた石が頭に当たってしまいすべての記憶をなくしてしまう。
記憶をなくしていることを知っているのは井坂(ディーン・フジオカ)と番場のぞみ(小池栄子)のみで
二人は必死にそのことを世間に隠し続ける。
前のことをすべて忘れているから
自分がどんな悪いことをしてきたのかわからない。
以前と凶暴で自分のことしか考えなかった黒田に周りの人は混乱する。
想像以上に面白かった!
常に笑うという感じじゃなくて合間合間に
くすっと笑える部分がありリラックスして
観れました。
記憶があるフリをして周りと接するから
行動や会話が噛み合わなかったり
「そんなの無茶でしょ」なノリで切り抜けたり
三谷幸喜ワールドでした。
キャストがとにかく豪華!
黒田の妻・聡子の石田ゆり子さんとや
ライバル役(?)山西あかねの吉田羊さんの
絡みが特に面白かった!
記憶をなくす前は自己中で女の人を見下してた
のに記憶をなくした後は優しい黒田に
戸惑う姿が良い!
記者の佐藤浩市さんのひょうひょうとした
役も良かった。
ただバタバタするだけじゃなくて
ストーリーもしっかりしていて。
記憶をなくした黒田が「日本の政治」を
正しい方に変えていこうとする
前向きな展開は見やすいしどんな人にも
ハマると思います。
政治ファンタジー
試写会で安倍首相を招いたのち、三谷幸喜監督自身から「ファンタジーのつもりで楽しめますから」との言葉が出た。(産経新聞。下部のURL)
最初、何を言っているのかと思った。現代日本を舞台に、政治をテーマにして、夢物語にしてしまう空虚さはダメではないか、と。
ただ観てみるとファンタジーというのは本作の展開設定のことであって、現実の安倍政治と無関係でないことがわかった。中井貴一演じる黒田総理は消費増税や社会保障の抑制、巨大建造物の不正発注など既得権益の有利に尽くし、国民の生活を苦しめる政治家であったことが伺える。全てとは言わないが現職総理大臣にも当てはまるところはあるのではないか。
この安倍首相にもダブる総理大臣が記憶を失ってしまう。この設定が素晴らしい。総理の記憶喪失を隠し通さなければいけないシチュエーションから生まれる緊張感と笑い。そこで記憶を失い純粋となった黒田の目を通して浮かび上がる政治の腐敗こそ、この喜劇のミソである。
そんな毅然とした前半から、後半は三谷監督が語るファンタジーへと変貌する。自らの役割に目覚め、理想の政治へと突き進んでいく。退屈とは言わないが、前半の輝きは減退している。
後半の問題点は草刈正雄が後手後手のへっぽこ悪役だったこと。現実の政治への批評性を大きく失ったことだと思う。後者を解決するためにはもっと記憶喪失前の黒田首相を描いておく必要があったと思う。現実の政治のメタファーでもある過去の黒田総理と、正反対である現在の黒田総理。過去と今のキャラクターの違いを同じシーン(それでも2人の行いは全然違う)の反復としてしっかり画として見せるべきである。そして、過去の黒田の分身でもある草刈正雄を打ち倒すことによって映画的なカタルシスがより増大するのではないか。
ただ前作『ギャラクシー街道』のような駄作では決してない。面白い映画だと思う。
最後に3つ。SPとして登用された田中圭には見せ場として、スナイパーの狙撃から身を呈して中井貴一を守って欲しかった。セクハラされ続けた小池栄子に対し何事もなかったかの様に話が進むなど、蔑視的な作りも気になる。頭で書いた三谷幸喜監督と安倍晋三首相の会談について。是枝裕和監督の様に権力と距離を置いて欲しかった。それが権力を茶化し、相対化する喜劇人としての立ち位置ではないだろうか。少なくとも、映画で語った「権力者のご機嫌を伺うのではなく、はっきり正しいことを言う」というメッセージには嘘をつかないで欲しい。
https://www.google.co.jp/amp/s/www.sankei.com/entertainments/amp/190811/ent1908110007-a.html
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三谷幸喜組入れ替わり
政府批判的な映画かなと思っていたら、全くのフィクションであり喜劇でありファンタジーであった。これぐらいの映画なら角も立たないし、佐藤浩市も百田尚樹に叱られることもないだろう。三谷幸喜組も大きく入れ替わって新鮮だった、まずまず楽しめる作品だったと思う。
期待値が高いのか、平日なのに満員
前作「ギャラクシー街道」で思い切りスベって三球三振だった三谷監督、4年ぶりの今回は手堅くクリーンヒット狙いでした。
三谷作品と言えばどうしても、大爆笑の連続で腹の皮がよじれ、劇場を出る時は腹が痛い、と過剰な期待を寄せてしまう私ですが、今回は細やかなクスクス笑いがメインで大爆笑はほどほど。逆に終盤に思わず、しんみり泣かされてしまい、ウ~ン、参ったな。この展開はずるい、卑怯な反則のような。
でも、いつかまた、「ラヂオの時間」を越える大爆笑作品を作ってください。期待してお待ち申し上げます。
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