記憶にございません!のレビュー・感想・評価
全634件中、441~460件目を表示
教訓
三谷幸喜監督8作目で、今回も当然ながらコメディです。
三谷作品の特徴は、奇抜で特異なキャラクターを随所に鏤めて、アトランダムに浮遊させることによって生じる勘違い、行き違い、喰い違いによる苦笑、微笑、爆笑を積み上げ織り上げていくことであり、本作も、多彩でユニークな登場人物の設定によって生み出される可笑しさは好調です。
映画の冒頭、主人公が突然病室のベッドで目覚めてからの、細かくカットを割り目まぐるしくも軽快なテンポで展開する、一種のエスタブリッシング・ショットは、いきなり観客の心を鷲掴みにし、興味を一斉に一気に引寄せる。その手練手管は流石です。
また作品を通して寄せのカットが殆どなく、寄せカットがあっても小刻みに割られて長回しは一切なく、引きのカットでのパンが多いので、観客は肩肘張らず、弛緩して寛いだ茶の間気分で観られる、これも三谷作品の特徴でしょう。
ただやや仰角気味のアングルが多いのは、多少の緊張感を抱かせることになりますが、実は本作は単なるコメディではないフレームワークであることを、サブリミナルに植え付けているように、私には思われました。
カメラの視座は、前半は小池栄子演じる“番場のぞみ”から捉えており、女性的で柔らかく、戸惑いながらも仄々とした暖か味のある画調であり喜劇ドラマが快調に展開しますが、話がややシリアスに移行する中盤から後半は、ディーン・フジオカ演じる“井坂”の視線に移り、理性的で合理的に事がテキパキと進められていきラストを迎えます。ストーリーの転調に符合した、この視座の移動もまた見事です。
後半で本作は、一人の人間の人生回顧と再生という真のテーマに踏み込みます。即ちこれまでの人生の原点に立ち還って来し方を総括し、そして人生のリセットと生き方の再起動という深遠で困難な歩みに足を踏み出していきます。
「過去がどうであれ、人生はやり直しが利く」、三谷作品には珍しく、本作には教訓が含まれています。
ただ、そのためには、中井貴一演じる黒田総理の、独善と不安と絶望と得心と覚醒、そして悔悟と苦悩と覚悟に至る掘り込みが足りないように思いますが、コメディとしては風呂敷を広げ過ぎているようにも感じます。
残念ながら喜劇としての徹底性に欠ける分、いつものような馬鹿馬鹿しくも爽快な切れ味の鈍さを感じてしまいます。そのため、今一つ作品に、映画としての深味、即ち「笑い」「泣き」「(手に汗)握る」が足りず、また感動もしきれない気がするのは、誠に残念です。
久々の三谷幸喜漬け!
明るく楽しい、これが大事
今の風潮だと、これくらいの風刺が限界なのか!?
でも確実に、シンゾーちゃんをバカにしてる感じ、そして最後はいい話というのが、
三谷幸喜らしさでほっこりした
でも、ちょっとオールドファッション入ってきたかなー、という感もなきにしもあらず
中井貴一さんが最高!!
久々に笑えて泣けたオススメ映画です!元々予告編だけで、めちゃくちゃ笑えたので、主人と次はこれ見ようね!と約束していた映画でした。会場も平日の朝にも関わらず、たくさんの人が見に来ていました!
流石に中井貴一さんの演技が面白過ぎて、会場も爆笑の渦で楽しかったです!ディーンフジオカさんも相変わらずかっこよかったし、小池栄子さん、石田ゆりさんも面白く、脇役を固める俳優さんも、凄くいい味をだしており、とても楽しめる映画に仕上がってました!是非ともご夫婦でご覧ください。
安部首相もご覧になったとかで、この映画のように心を入れ替えて、国民の為に働く政治家になってほしいと思いました!(笑)中井貴一さんは、本当にいい役者さんですね~!また、私達を楽しませて下さい!今後のご活躍を期待しています!
三谷さん、待ってました。
とても退屈でした・・・
可笑しかった
私にはハマらず
期待ほどではなかった
三谷作品であり、喜劇であり、最後は必ずハッピーエンドで終わる。 というのは頭に入れた状態で見ていたが、正直がっかりした。
1番の要因は、ところどころに入る小ネタが私のツボに入らなかったからだろう。喜劇を笑えないのなら魅力は半減だ。笑う人もいたので、単に自分の感性の問題だったと思う。
残念だったのは、話があまりにも読めすぎる事だ。勧善懲悪モノであるため致し方無い部分もあるが、それでいいのかと何度も突っ込んでしまうくらい雑に感じた。三権分立を教わる総理や、公務員の秘書がいる総理夫人みたいな安い皮肉も正直うんざりしたし、むしろ暴君と化した総理が荒々しく国会を駆け抜けるような話にしてくれれば良かったとさえ思った。
ストーリーは残念だったが、配役はよかったし、名優を揃えただけあり演技も素晴らしかった。役者を観に行くならば悪い映画ではないだろう。
劇場型政治
三谷幸喜監督ということで、期待度上がるからか、感想はまあまあ。やっぱり映画というより舞台劇になるんですよね。コントとしては面白くて、ブフゥっと吹き出してしまうのだけど、映画としては?の印象が残った。
悪徳政治家の総理大臣が、記憶をなくしてから人が変わって善人になる話で、設定は面白い。
役者陣は安定の演技で素晴らしい。中井貴一はもとより、草刈正雄、小池栄子、石田ゆり子に、この人なしには三谷作品が成り立たない佐藤浩市。ディーン・フジオカもクールな感じがよく似合い、斉藤由貴、木村佳乃などもしっかり持味を出して楽しかった。役も演技も申し分ないのだけど、ただ、どこかイメージが張り付いてしまっていて、良くも悪くも裏切られた感が無く、ところどころでなんだか醒めてしまう。内容は面白いけど、波に乗り切れない感じだった。
主役の中井貴一に、もう少し悪徳政治家のエピソードや伏線をつくるなど、善悪の落差があったら、後半よりスカッとしたかも。
安心して笑える点で、楽しめることは間違いない。
中井貴一劇場がシンプルに楽しい!
久しぶりに吹き出しました!
三谷幸喜らしさが…
全634件中、441~460件目を表示