「気づいたら笑いながら涙がこぼれ落ちていた」記憶にございません! 映画野郎officialさんの映画レビュー(感想・評価)
気づいたら笑いながら涙がこぼれ落ちていた
絶対必ず死んでも観た方がいい。2019年公開の一押し映画間違いない。個人的には日本アカデミー賞ものだと思う。
大好きな三谷幸喜作品という贔屓目なしにも、過去最高に面白く、今後一番好きな映画を聞かれたらこれを答えるかもしれない。
冒頭のテロップからクスリとさせられ、随所ににくい演出が散りばめられていた。
さすがの脚本でアイロニーのこもった社会風刺のストーリーと笑いのセンスもさることながら、俳優ありきで書かれる三谷さんのスタイル通り、個性あふれる主演級の錚々たる実力派俳優たちがそれぞれハマり役で活き活きと演技している。そのかけ合わせ、重なり合いが見事なコメディのミルフィーユとして見応えを膨らませていく。
映像演技として目線や表情のつくり方、息遣いから身体の細部の動きまで、すべてが計算し尽くされた完成度の高い仕上がりで終始ワクワクさせられた。
役者としては観ながらとにかく「三谷先生…芝居がしたいんです!」と叫びたくなる気持ちになった。
中井貴一さんのキャラの演じ分け、感情の積み重ねなど本当に一分一秒スクリーンの隅々まで演技の勉強になる映画。
「笑いながら泣く」という言葉はこの映画のためにあったんだ。作品としても過度の期待を込めてオススメ。
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