「「種の起源」とクリミアの悲劇」サンストローク 十月革命の記憶 jarinkochieさんの映画レビュー(感想・評価)
「種の起源」とクリミアの悲劇
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名将ミハイル・フルンゼが、最後迄 白軍の統治下にあった〈クリミア半島〉を占領すると
司令官だったヴラーンゲリ等はフランスに亡命し
残りは降伏を決める
(フルンゼは 罪の不問を表明)
映画は投降した彼等(白軍将校、軍関係者、警察官等市民も)の 悲劇的顛末を描いている
その中の一人である中尉は 回想を繰り返しながら、この革命の萌芽と敗北の原因を探す
(が、最後迄わからない)
彼等ブルジョアジーは(手品師が示唆したように)
「マルクス」は知らないし、農民や労働者の中に入り込んだものにも気付かないか、気にも止めない
〈種の起源〉を教えられたイェゴリがチェーカーとなり、Zemlyachka(またはロザリア・ザルキンド/ユダヤ人革命家)、Kun Bela(ハンガリーの共産主義者)と共に決断(粛清)を下す
〈ユートピア幻想〉を持たされた彼は(本当はありもしない)ボリシェヴィズムとキリスト教との共通点〈博愛と平等〉を彼等に確認したりしている
謎の美女の言動が いまいち意味不明だが、失われた美しいロシアの暗喩だろうか
(19世紀は文化の黄金期だった)
(海外の支援者の意味も?)
繰り返し流れる「あなたの声に心は開く」(サムソンとデリラ)には心揺さぶられる
私の愛にこたえて… 私の愛にこたえて…
ああ!注いで 注いで あの陶酔を…
全編 美しい映像で、残虐な場面も少ない
長かったが これも事態の進行に全く気付かなかった時間の重みに重なるような気もする
敗戦で文化は消滅するが、この革命ではそれだけでなく、ある種の人々も消滅させられたことを描いている
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