「圧倒的な印象を残す実録ドラマ」7月22日 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的な印象を残す実録ドラマ
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2011年7月22日、オスロの政府庁舎の駐車場に止められた不審な白いパンが爆発して8名が死亡。その頃ウスヤ島で開かれていた労働党青年部のサマーキャンプに警官を騙った男が訪問、持参した銃火器で69人を射殺した後逮捕される。男の名前はブレイビク。テンプル騎士団の指揮官を自称するブレイビクは自分の弁護士として数年前にネオナチの少年の弁護を担当したリッペスタッドを指名する。
記憶に新しい凄惨な無差別テロをポール・グリーングラス監督が映画化ということで観ないわけにはいかなかったんですが、これは辛過ぎて鑑賞し終わるのに3日かかりました。何の罪もない子供達が次々に凶弾に倒れる冒頭30分、ブレイビクに指名され苦悩しながら弁護に奔走するリッペスタッド、5発の銃弾を受け瀕死の重傷から奇跡的に生還した少年ビリヤルと彼を支える家族と友人、前代未聞のテロに胸を痛めながらも脅威に屈せず政府側の対応に不備がなかったかを追及するストルテンベルグ首相、様々な人々が織りなす幾重にも重なるドラマが圧倒的で、彼らの苦悩を見つめる手持ちカメラの生々しい映像が脳裏にくっきりと残像を残します。
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