「美しく悲しい」ROMA ローマ ピンクマティーニさんの映画レビュー(感想・評価)
美しく悲しい
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淡々としているけれど、最後まで飽きさせませんでした。
南米に住んでいたことがあるので、コロンブス上陸以来今だに続く、先住民とヨーロッパ系移民との階級差、先住民の貧しくて厳しい暮らしぶりや、男性が女性をないがしろにするマチスタぶりに、ああそうだったなと思い出し胸が痛みました。差別、暴力、貧困は当時から今も変わっていないと思います。
ラストで、クレオが「子どもを産みたくなかった」と吐露するシーンは、他のレビューの方々の解釈とは違って、「子どもを産みたくないという気持ちが死産を招いてしまった。ごめんねごめんね」という自分の赤ちゃんへの懺悔の気持ちではなかったかと私は受け止めました。
先住民であり女性であるという二重苦を生きるのは本当に過酷なことだなと同じ女性として胸を馳せました。
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