「ベストセラーに隠された生みの悲劇と家族の葛藤」グッバイ・クリストファー・ロビン Ryuu topiann(リュウとぴあん)さんの映画レビュー(感想・評価)
ベストセラーに隠された生みの悲劇と家族の葛藤
「くまのプーさん」の誕生に纏わる、産みの苦しみの物語
作家のミルンが戦争から帰還し、その後PTSDに苦しみながらも、ようやく息子と過ごす田舎での生活をヒントにして、プーの物語を完成させるが、作品の爆発的なヒットに因る事が原因で、父と息子の親子関係に亀裂が生じてしまうと言う悲劇。
作家にとっては、作品は自分の生み出した所有物の筈だけれども、親から生まれた子供が別の人間としての権利と生き方が有るのと同様に、作品も生み出された後は一人歩きを始め、作者を含む人間関係にも、その影響を及ぼしてしまうと言う現実的な悲劇を描いた作品。
出来あがった作品と作者を取り巻く人間像を本作の様な視点で描く作品は意外と少なかった事を改めて感じた。
世の中総て、何事にでも産みの苦しみと犠牲が付いて回るのだと考えさせられる作品だった。
本作のラストには共感出来た。
観て置いて損の無い作品です。
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