「「くまのプーさん」の切ない誕生秘話」グッバイ・クリストファー・ロビン とえさんの映画レビュー(感想・評価)
「くまのプーさん」の切ない誕生秘話
映画「グッバイ・クリストファー・ロビン」は、「くまのプーさん誕生秘話」を描いた実話
第一次世界大戦に従軍したミルン(ドーナル・グリーソン)は、終戦後に帰国した後、戦争の後遺症であるPTSDに悩まされてしまう
その後、妻ダフネ(マーゴット・ロビー)との間に生まれた息子 ビリーを喜ばせるためにクマのぬいぐるみを主人公にした童話を書くと、それが、書籍化され、ベストセラーとなるのだか…
PTSDで悩むお父さんが、プーさんとクリストファー・ロビンの童話を書くと、それがカウンセリングのような役割を果たし、お父さん自身が救われていく
けれど、その物語のモデルとなった息子は、予期せぬ形で有名人となってしまい本の主人公「クリストファー・ロビン」と素の「ビリー」の間で苦しむことになる
私がこの物語の中で一番グッと来たのは、その家族を影で支えていた乳母ヌーの存在
ミルンの妻ダフネは、上流階級の出身で、遊ぶことが大好き
そのため、ビリーの子育てと、教育、スケジュール管理は、全て乳母に任せっきり
そのせいで、ビリーは、母よりも乳母になつくようになっていく
ヌーは、ビリーを不憫に思うけど、ダフネはビリーか自分よりもヌーになついていることが気に入らない
お父さんがプーさんを書いたのは、自身にとってのPTSDを治療する役割があったけれど、その物語を一緒に作り上げたビリーにとっては、お父さんに好かれたい一心という思いがあって
でも、お父さんはビリーとうまく接することができず、ビリーの思いは乳母の元へ…
でも、ヌーは使用人だから、必要以上に立ち入ることができず…
そんなビリーとヌーの関係に胸が締め付けられてしまった
ディズニー版の「プーと大人になった僕」では、ほんわかと心温まる物語が描かれているけれど、その裏には、こんな切ない話があったのかぁ…
という作品だった
この映画、日本では劇場公開しないままビデオスルーになってしまった作品。
興味を持たれた方は、10月3日にDVD発売されるそうなので、ぜひ、そちらで。