「やりたい表現をやる!という決意の塊」デス・バレット バッハ。さんの映画レビュー(感想・評価)
やりたい表現をやる!という決意の塊
モリコーネのマカロニウエスタンの映画音楽を大々的に引用してることからもマカロニの影響を受けていることは明らかだし、顔のアップの切り替えしを多用するスタイルも完全にマカロニだが、だからといってマカロニの継承者ではないと思う。むしろマカロニ的表現の中から「オレはこれが好きだ!」という要素だけど取り出し、アンプと通して最大限に増幅させて轟音にしたみたいな押して押して押しまくる異形の映画だ。
アップの多用にしても、何度も切り替えしているうちに寄り過ぎて何が何だかわからなくなったりするし、登場人物の位置関係もわからなければ、もはや誰の目だか口だか判別できなくなるのだが、この作品固有の目的意識はいささかも傷つかない様子で、どんどんシュールでサイケでアバンギャルドな方向へと向かっていく。もはや現代アートの範疇ではないかと思う。
ハル・ハートリー映画でおなじみのエリナ・レーヴェンソンがとんでもないビッチをほぼノーメイクで怪演しているのも驚きで、スピンオフができてもおかしくないくらいのモンスターキャラだった。
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