「“セミドキュメンタリー”」テル・ミー・ライズ yuyuさんの映画レビュー(感想・評価)
“セミドキュメンタリー”
この映画は何に属するのだろう、ドキュメンタリーか、フィクションか、それともミュージカルだろうか。
劇中にあった”セミドキュメンタリー”なのだろう。
多少哲学的な対話や討論の間に急に挟まれる歌の数々。その歌詞はどれもなかなかエグい。
アッテンボロー監督の映画、素晴らしき戦争を思い起こさせる。とてもイギリス的な風刺。
印象的だったのはベトナム人の僧の焼身自殺のシーン、そしてアメリカ国防総省の前で同じく焼身自殺したノーマン・モリソン。
そしてサイゴンで、打ち明け話が出来る相手を求めて兵士たちがゲイバーへ行くという話。田舎の保守的な地域から来た兵士たちのはじめての体験が同性となり、それも心に抱えて帰ってゆく。
テレビ画面越しの快適な環境でベトナム戦争を眺めて、すぐに忘れてしまうことにこの作品のひとつの核があるように思った。
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