劇場公開日 2018年11月17日

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「ワイン造りがこんなに奥が深いなんて!」おかえり、ブルゴーニュへ ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ワイン造りがこんなに奥が深いなんて!

2018年11月9日
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鑑賞方法:試写会

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ワインに溺れる…。
甘酸っぱい思い出と、渋い現実に苦悩する三兄弟の人生を堪能。
彼らの人生は常にワインと共にあり!

一見ヒューマン映画なようにも見えますが、ワインにかける情熱はドキュメンタリー映画並み。
父の残したワイン畑を残そうと頑張る彼らの姿が素敵でした!

収穫時期になると、アルバイトを募って一斉に葡萄を収穫する姿。
日本の稲刈りに共通する部分を感じてしまいました。

葡萄は品種ごとに分かれているため、ワインの味も葡萄の種類によって様々。
収穫時期や種類によって異なる味わいを、三兄弟たちが細かく品定めしていきます。
父の仕事を一番よく理解しているのは、長女のジュリエット。
彼女の判断によってワインの渋さ酸っぱさ、味わい深さが決まっていくのです。

父の教えを受け継ぎながらも、自分独自の味を追求していく彼女のこだわりに感動しました。

そんな素晴らしいワインですが、畑の存続はかなり危機的状況…。
病気で父が亡くなってしまったため、畑の相続税を兄弟で話し合わなければなりません。
しかし、3人一致でなければ決定権が与えられないため、なかなか話は進まず、苦しい状況は続きます。

大切にしてきたワイン畑を売りたくはないけれど、お金の問題は切実。
ワインへと愛情とは裏腹に、厳しい現実が彼らを苦しめます。

さらに苦悩するのが兄弟の家族関係。
兄は嫁との関係が微妙…。
弟も義理の父母のお節介にタジタジ…。
という、男たちが不甲斐ない雰囲気ですが、一人独身の長女は、彼らの分までワインに愛情を注ぎ頑張ります!
女性が強くなってきている昨今ですが、フランスでもやっぱり女は強かった(笑)

女性の意見を尊重する兄弟たちの優しい姿も素敵ですが、男に負けじと畑の存続に奮闘するジュリエットの直向きな努力に感心させられました。

それにしても、フランス人のワイン愛は特別!
日本人も日本酒をこよなく愛していますが、その愛情は勝るとも劣らず強いものを感じました!
普段何となく飲んでいるワインですが、これからは有り難みを持って味わいながら堪能しようと思います。

最後になりますが、映像に映る広大なワイン畑の素晴らしさに圧巻!
春夏秋冬季節によって変化する畑の色は本当に美しかった…。
ストーリーだけでなく、映像からもワインの素晴らしさを存分に感じられる映画だったと思います。
いつか広大なフランスのワイン畑を実際に見てみたい…!

ガーコ