真実のレビュー・感想・評価
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大女優のオーラが
まず先に言いたいのは、
是枝裕和はドキュメンタリーの監督であるということ。
これを忘れてはいけない。
彼が描く作品は、このスピリットが失われていないので、
叙情的なシーンなど、「は?なにこれ?」となるケースが多い。
しかしこれはドキュメンタリーですと前置きすると納得するケースが多い。
今回の作品もカトリーヌ・ドヌーブのドキュメンタリー作品ですと思って鑑賞すると、
往年の大女優は今でも健在で、イーサン・ホークが小さく見えることが何よりそれを表している。
そして前半眠たい展開も、後半になるにつれて、
なるほどこう来たかというセリフの往来。
前半から魔法使いが亀にのくだりは面白かったけれど、
後半、娘との距離の取り方や、執事とのやりとり、
カトリーヌ独特の表現のしかたに、
あぁ、やっぱりこれはファビエンヌではなく、カトリーヌのドキュメンタリーだと気が付く。
シャルロットもとってもよかった。
シワシワのおばあちゃんなのに、真っ赤なマニキュアを忘れない。
胸よりお腹が出っ張っている体型なのに、シルクのパジャマとか着ちゃう、
犬の散歩なのにあんなに着飾っていく。
あぁ、ホントに彼女の日常を観ているよう。
特にエンドロールが私のお気に入り。
なんてことないシーンなのに、すごく惹かれる。
これが是枝監督のやり方なんだなと思った。
あらゆる役者をリスペクトしているからこそできる表現。
しかし編集がきっと別な人なのだろうと思う。
あちこち本当に雑で、
日本人独特の余韻は清々しいほどカットされている。
そういえば、これは母と娘の確執の話だったはずなのに、
終わってみれば、そういえばそんな話だったねと思う始末w
カトリーヌ・ドヌーブ様を愛でる映画♪
カートリーヌ・ドヌーブ
カートリーヌ・ドヌーブありきの映画。
大女優が大女優本人の役を演じているようにしか観えない。
その位リアリティがあった。
ビノシュとのやり取りも自分の娘ともそうだったのでは…などと想像してしまう。
イーサン・ホークとの絡みも勝手の美貌は何処へやら恰幅がよくなって老いも隠せない姿であるにも関わらず何か危うい事が起こってしまっても無理の無いような魅力を感じさせる。
ストーリーはいつの世も私の身近にもある母の愛を求めるが故に攻撃的になってしまう娘と女優を演じるためなら全てを犠牲にしても良いと言い切る母の物語。
そこにダメダメな男共が絡み意外と真実をつく言葉を放ったりして…
特にイーサン・ホーク良かったです。
あと今回是枝監督に見出されだマノン・ルノワール。
美しく清楚でそれでいて確かな演技力があり、かって主人公のライバルと目されていた女優の再来と言われる役どころをしっかりと演じていた。
是枝監督の新人を見出す目にはいつも感心させられます。
子役の女の子二人も良かった。
母と娘の関係に何かしら思いがある方にはぜひ観て頂きたいです。
初めて観た不思議ちゃんはこの人だった・・・
安心感と大失敗(自分の)
是枝監督初めての海外撮影となったものの、作品としては登場人物の少ない小さな家族の話でありながらドラマチックに揺さぶられる是-枝調で締まっていた。ジュリエット・ビノシュから声をかけてもらったそうだけど、見る目があるなあと。日本人が洋画をまねてちょっとしゃれてみました、っていうようなところもあったように思うけど。あと若い女優役マノンクラヴェルが綺麗でうまくて良かった。
(ところでちょっと長い特別編が公開されて、イーサンホークの出番が多くなってるらしく、そちらに行こうと思っていたけど気づいたら上映終わってしまってた。しかし上映期間中に別バージョンを流すというのは、観客に対してちょっとダメなやり方だとおもう。)
そして個人的に大きな失敗をしてしまったのは、NHKの撮影ドキュメンタリーを先に見てしまっていたこと。これを見てたから映画館で観たくなったのも事実だけど、反面、ほとんどのシーンが映っちゃってたので驚きが削がれてしまった。映画の上映中に放映するなら、せめてダンスのシーンとか撮影所のシーンとか、何か所かは隠しておいてほしかったよNHK...て、場面少ないから無理か。
だれの真実·····?
答えのない漂いぶりが詩的
真実とは
タイトルが問いかけてくる
大女優ってやつは…
洗練された、とても美しいフランス映画
ヨーロッパ映画と聞くと、作り手の芸術性重視で、観客に「観たければどうぞ」的な、敷居の高いイメージ。
対してハリウッド映画は、観客の満足度重視で「ぜひ観てください」という、娯楽志向的なイメージ。
昔の日本映画はどちらかというとヨーロッパ的な志向が強かったためか、邦画は暗く退屈でつまらないと敬遠され、段々とハリウッドの商業主義的な方向に寄っていった(お金も大事ですからね)わけですが……。
で、日仏合作の今作品は、日本映画とヨーロッパ映画が、本来はとても相性の良いものだということに気付かせてもらえます。
フランスの実力派女優たちによる、演技を見せつけあうかのような真剣勝負(劇中劇含め)は見事でした。
そして、それを撮りきったのが日本人監督であることに、日本映画界は誇りを持ってほしいですね。
『しかけ』を楽しむ映画です
是枝監督は、やっぱりくせ者でした。じわじわ、と来る。
和解というベタなストーリーだと、表面をなぞるだけではあまりにもったいない。
あのストーリーで、なぜ劇中劇がなぜSFなのか。サラの再来と評価されるマノンが演じる劇中の母は歳をとらず、娘役のファビエンヌが肉体的には母の歳を追い越す。そんな不思議なストーリーに、深い意味がないはずがない。
サラという存在との関わりの中で、それだけではなくファビエンヌの実母という存在との関わりの中で、是枝監督はおそらく2重に意味を込めたのでしょう。丸1日たってから、気づかされました。
そもそも、母娘の和解だったのでしょうか。和解というより、『赦し』というべきものが描かれていたような…。真実などどこにもなくて、でも、赦すことはできる。是枝監督の深い人間観が、そこには映し出されていたのでしょうか。
残念だったのは、フランス語と英語が混在していたはずの会話の、どこがフランス語で、どこが英語だったのか、後になってみると全く分かっていなかったことです。
リュミエールの夫ハンクの演技を、ファビエンヌがボロ糞にけなす場面、あれはハンクがフランス語を理解していないから、ハンクには伝わっていなかったのでしょうか。そう見せかけておいて、実はハンクはフランス語が理解できないと、演技していただけだったりして・・・。何といっても、執事のリュックですら、「仕事を辞める」という言葉の真実を最後まで明らかにしないのですから。
シャルロットのかわいらしさ、魅力的な音楽、カメラワークの細部、どこをとってもよく行き届いた心配りが感じられました。是枝監督の重層的な作り込みに、感服。
カトリーヌ・ドヌーブを考える
ジュリエット・ビノシュの顔力がすごい
ジュリエット・ビノシュ初体験
表情の演技力が良い意味でやばすぎる
もう1人の大女優カトリーヌ・ドヌーブは記憶に強く残るセリフが少なくとも5つほどあった
それはなにかと書けば野暮なので書きません
全体的に毒舌だけど日本のタレントの毒舌と一味も二味も違う
脚本通り言っているだけかも知れないがわりと言う方じゃないかなと想像してしまう
樹木希林とはあまり共通点を感じなかった
フランス語はいいですね
耳に優しい
ハリウッド映画だと「fuck!」「shit!」「son of a bitch!」だもんな・・・やれやれ
クレープが食べたくなったので映画観たあと久しぶりにクレープを買って食べながら街を散策
話として可でもなく不可でもなく
大絶賛する人が多いのもわかるしハマらなかった人が数人いても全然おかしくない
母と娘の真実
是枝監督、最高傑作!!(^。^)
奇跡的に良く出来過ぎた脚本とキャスト。
これ以上の組み合わせがあるでしょうか。
しかも自国ではなく外国で。
これを奇跡と呼ばずに、何を奇跡と呼べましょう?
しかし、これ、なぜ特別編集版を
通常版にしなかったのか謎です。
どう考えても後に繋がっているシーンが
カットされており、絶対に特別編集版の方が
分かりやすいし、いいセリフがあります。
DVDにする時は、
特別編集版を通常版にして下さい。m(_ _)m
吹替え版は悪くない出来でしたが、
やっぱりフランス語の響きが素晴らし過ぎて。
字幕で鑑賞出来る方は、ぜひ
特別編集版の字幕をオススメします!
是枝監督、ありがとうございました!
感謝感謝です(^。^)\
P.S.
「真実」? そんなもの大した事じゃないわ。
人の記憶ほど当てにならないものはないのよ。
byファビエンヌ
天国の入り口で何と言うことやら。
何とも憎めない素敵な大女優でした。
真実だけで生きれる人はいないのと同じで
全てが嘘だけの人もいない。
大切なのは、
今、目の前にいる、身近にいる人との
繋がりを大事にすること。
繋がり続けること、たとえ苦手な人であっても。
個人的に「万引き家族」より全然良かったです。
安藤サクラは最高に良かったですが。
今まで「誰も知らない」を一番に思っていましたが、
見終わった時の幸福感から、個人的に
No.1オススメ作品になりました。(^^)
「幻の光」もすごく好きですが。
イーサンは「しあわせの絵の具」、
カトリーヌは「シェルブールの雨傘」
「ロシュフォールの恋人たち」がオススメです。
(^-^)
マノンの低音は素敵でしたね。
次回作に期待です。
勿論、ジュリエットの堅物キャラは、
ハマり過ぎて超素敵でしたよ。
それぞれの目線
母と娘の関係は永遠の課題
世代からかヨーロッパ映画、特にフランス映画には漠然とした憧れがありました。フランスには行ったことはないしフランス語はほとんどわからない。でも、季節や街を描きながら心象も描いているところが日本映画の、特に是枝監督と共通するのだと、この映画を鑑賞してつくづく感じました。
仕事を持つ母親と子が、そのときは伝えきれなかった思いが、時が経ち立ち位置が変わることで、少しづつほぐされていき、明らかになっていく。大事なことなのだなと思い知らされた。
でも言葉にしなければ伝わらない。脚本も嘘は書けないし、俳優も技術だけでは伝えることはできない。素敵な映画でした。
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