「毒親に優しい監督」真実　Jaxさんの映画レビュー（感想・評価）

ファビエンヌは明らかに毒親で、たとえほんの少し良い面が合ったとしても娘がそれを赦す必要なんて無いのだが、「結局人間って複雑な物だよね」と濁して断罪せずとどめているところがなんとも毒親に優しく被虐待児に優しくない作品である。いやまず娘にきちんと謝れよ、と言いたいところだ。
孫娘に優しいのが唯一の救いか。祖父を亀に変えたブラックジョークには笑ったが。

そして徹底的な父親不在感。子を育てる義務は父親にもあるんだが母親しかやり玉に挙げないあたりネグレクト父親にも優しい仕上がり。やはり是枝裕和監督とは馬が合わないなと思う一作であった。