「ザ・大女優」真実 ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
ザ・大女優
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カトリーヌ・ドヌーヴ、存在感ありました。映画の中のワガママ大女優を地で演じているかのよう。どこにでもいる家族、もしくは最下層の家族を描いてきた是枝監督が、大女優のセレブ家族、母娘の関係を中心に描く。でも家族を描かせたらやっぱり、上手い。演技が全ての頂点で、家族は二の次と言って憚らない母。自伝も大いに脚色している。子供の頃から、二の次に扱われてきた娘は自分はそうしまいと、テレビ俳優の夫と娘と幸せに暮らしている。イーサン・ホークが優しい夫を好演している。サラという母にとってはライバル女優、娘にとっては優しい本を読み聞かせてくれるおばさん?がいたのだが、事故死している設定になっており、最後までどういう関係なのかはわからず終い。しかし、サラに似た新進気鋭の女優と共演することで、初めはいじらしく思ってたものの、彼女の迫真の演技に、弱気になったりするドヌーヴが愛らしい。そこから、自分も最高の演技でかえすことで、相手を認め、娘に対しても、真実を話すことになり、ハッピーエンド。幼い頃、父親しか見てくれていないと思った演劇会は、実はドヌーヴも来ていたのだ。映画の台詞にもあった、記憶とは曖昧のもの。相手が幸せなら、真実は時にはどうでも良いことかもしれない。
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