「記憶なんてあてにならない。変わっていくもの」真実 shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
記憶なんてあてにならない。変わっていくもの
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映画「真実」(是枝裕和監督)から。
是枝監督作品で、カトリーヌ・ドヌーブが主役で・・は、
私の映画鑑賞方法ではあまり関係なく、観終わった。
大女優の自宅について「すぐ裏は刑務所だけどね」の台詞が
何回か登場するが、その仕掛けの意味が分からなかったし、
「サラ」という女優の名前が準主役のように連呼されるが、
影も形も見えなく、イメージすら掴めなかった。(笑)
さて、気になる一言は「真実」ではなく「記憶」。
「母の記憶」という映画名だったり「記憶っていい加減ね」
「記憶なんてあてにならない。変わっていくもの」など、
「記憶」という単語が多く使われていたし、
主人公の大女優の自伝本「真実」が、事実と違うと憤るが、
「本当の話なんかしない。それに事実なんて面白くないわよ」
と一蹴してしまう存在感がとても面白かった。
そういえば「『真実』に私は1度も出て来ませんでした。
存在を否定された気分です」と言って、執事が辞めようとする。
自伝本だから、長く仕えた自分は登場すると思っていたら、
書かれていなかった・・と拗ねるシーンがある。
それこそ「(執事が登場する)事実なんて面白くないわよ」と感じ、
外したのかもしれない。
歴史上の人物だって、権力者によって上書きされる世の中、
「自伝=事実」なんてことはあり得ないのになぁ。
P.S
毒舌の大女優を「彼女、寂しかったのよ」でまとめると、
なんだか、つまらない作品になってしまう気がするのは私だけ?
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