「我が身には伝わらなかった“真実”」真実 近大さんの映画レビュー(感想・評価)
我が身には伝わらなかった“真実”
『万引き家族』でカンヌ国際映画祭パルムドール受賞、順風満帆なキャリアで名実共に現在日本を代表する映画監督と言っていい是枝裕和。
そんな彼が挑む次なるフィールドは、世界。
初の海外共同製作作品。
日本人監督初の快挙!ヴェネチア国際映画祭OP作品!…として専ら話題を提供しているが、個人的にそれよりスゲー!と思ったのが、キャスティング。
だって、幾ら世界的に評価を得ている是枝監督とは言え、日本人監督があのカトリーヌ・ドヌーヴを主演に迎えて映画を撮るとは…!
これこそが快挙でしょう!
役柄がドヌーヴ自身のような国民的大女優。
気品と威厳を併せ持ちつつ、毒舌家でユーモラスな一面も。
是枝監督は演出しながら、故・樹木希林を重ね合わせたという。
本作が日本映画として製作されていたなら、希林さんで見てみたかった。
娘役にジュリエット・ビノシュ、その夫役にイーサン・ホークと、ハリウッドでもなかなか実現難しそうな豪華キャスティング。
共にフランスを代表する名女優でありながら、意外にも本作で初共演だというドヌーヴとビノシュ。その演技合戦も見物。
国民的大女優のファビエンヌが自伝本『真実』を出版。それを祝う為、アメリカで脚本家として活躍する娘リュミールは夫と娘と共に帰省するが、本に書かれてない“真実”について問い詰める…。
書かれなかった“真実”とは…?
母と娘、そして女優として。
秘めたる“真実”。
海外の超一流キャストによる好演やアンサンブル、フランス映画のような上質の香り…。
世界に出しても恥ずかしくない国際作品。
…なのだが、
是枝監督作品は大好きだ。いつもその年のBEST級。
だから、今回は不発だったと言わざるを得ない。
あらすじや予告編なんかを見ると、その自伝本を基に、母娘の愛憎がじっくり深く描かれている事を期待するが…、
凝りはあるが、それほど険悪ってほどではなく、割りと仲良し母娘。
で、その“真実”なのだが…、何と言うか、一体何が“真実”だったのか「…」な感じ。
映画界を舞台にしてパロディーみたいな軽妙さや実は意外とハートフルな作風で見易さや口当たりはいいかもしれないが、『そして父になる』『海街diary』『三度目の殺人』『万引き家族』などここ数年の秀作/力作を見た後だと、どうもズシンと心に響くものや印象にも欠ける。
何度か見直したら味わい変わってくるのかもしれないが…、現時点ではちと期待外れ。
とは言っても、決して駄作や失敗作ではない。
これほどの超一流キャストを揃え、上質な香りの海外作品を撮り上げた事は“がんばったで賞”。
これ一本で終わらず、いずれ日本の名作群に匹敵するような海外作品を…!
近大さん
是枝監督のフランス作品
良かったですね(≧▽≦)
大女優が大女優役を演じるなんて
しかも、カトリーヌさんですもの
凄すぎます~
キャストも良かったし
ラストは感涙でした。
国際映画祭で来日された時
感激しましたもの(≧▽≦)