劇場公開日 2019年10月11日

  • 予告編を見る

「きっと第一歩」真実 空猫さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0きっと第一歩

2019年10月14日
iPhoneアプリから投稿

是枝監督は特にフランス語を自由に操るわけではなく、通訳を通して、あるいは脚本は日本語→仏語への翻訳を通して今作を作られたというので、素朴に、そんなこと可能なんだろうか、と疑問に感じていました。是枝監督作品はノンバーバルコミュニケーションの描き方も秀逸なんだけど、その前に第一にはことばだろうと。細かなニュアンスとか文化とか、音のリズムとか、相当難しいんじゃないか、失敗したら(それは私は分からないけど)違和感に浮かんでしまうんではないかと。
素人(私)の考えることなんてきっと杞憂のきの字にもならないのですかね。知らんけど。
監督や出演者のインタビューを見聞きしてると、その辺は丁寧にクリアしたみたいです。。

描かれている物語について。
演者の演技を見てるのは楽しかったけど、見事なまでに地味なお話でした。山場がない。
母娘問題も描かれてるのかもしれないけど、確執深い母娘の関係はあれしきでは懐柔しないと思う。アッサリとデレ過ぎ。

だけど是枝監督が「邦画」の世界の枠を飛び出て、そこでこれまでに作家性を発揮してくれるのは素晴らしいことだと思います。ご祝儀含めて星よっつ。

空猫