「ファンタジーのようなSF」海獣の子供 ぶるくろさんの映画レビュー(感想・評価)
ファンタジーのようなSF
クリックして本文を読む
圧倒的な説得力を伴った海中描写。これでもかと繰り出される美麗な生物の群れ。前半部分だけで海洋生物オタクとしてはだいぶ満足してしまった感があるが……もちろんそれだけで終わるはずがないのが本作「海獣の子供」です。
一見するとファンタジーのような、全海洋生物たちが一つの意思を持ったかのような異常な行動。だが、それが異常だと思うのは、狭い人間の視野だからであり……そこに実は、確固たる理由があったとしたら。琉花は空と海に出会い、その理由を感じ取っていく。全ては一つの、一度きりの<誕生祭>のための、確かな前兆だった。
果たして、私たちはどこから来て、どこに行くのか。111分の映画で、宇宙の謎がばらりと解き明かされる様は、呆然としてしまうほど。異論はあるだろうが、理解が及ぶ範囲だけが映画ではない。理解が及ばなくてもいい。海を感じ、宇宙を感じる。そんな映画を、一生に一度は見て欲しい。
コメントする