「少年の別れ」僕はイエス様が嫌い 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
少年の別れ
少年・ユラの心の揺らぎ、
広がる神様へ不信、
ある事故をきっかけに少年の心に起きる波紋を
瑞々しい感性で描いた映画。
撮影した当時、奥山大志監督は22歳だったと言う。
子供の頃に受けた残酷な情景を、
ありのままに、見る者にも分かるように、
分かりやすく映像にする。
簡単ではない。
たった75分の映像に、死んだ友達への思い、
お祈りしても願いを叶えてくれない神様への不信。
お別れの言葉のお終いで、
いつも現れる小さなイエス様を
ユラはボカーンと叩き潰してしまう。
(それは幻想の神様への訣別?)
“怒り“
“理不尽“
“お願いしても、報われないこと“
ユラはそれを知った。
奥山監督は時として人間一般に起こる不条理を、
けっこう残酷な表現で、意図して明確に向き合って描く。
人はなぜ神に祈らずにはいらないのたう。
私は、毎朝、神棚に水を変えて、新しい熱いお茶を供えて、
神棚に手を合わせてしまう。
神様はいないと思うのに、
お願い事をしてしまう。
「ぼくのお日さま」を観て、とても良かったので、
この映画を観ました。
奥山監督、只者でなぃです。
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