「これが卒制だとは思えない良作」僕はイエス様が嫌い TOKIESさんの映画レビュー(感想・評価)
これが卒制だとは思えない良作
一般の映画監督でさえ、このクオリティを出すことはなかなか難しいが、これを学生時代に撮ったと思うと将来有望な映画監督である。
複雑なカメラワークを入れずとも、引きの絵や長回しを使うことで、カット数は少なめだが、明解なカット割りに好感が持てる。セットや音楽もチープさを感じさせないのは、監督のセンスと腕の証だと感じる。
CG部分も低予算ながら奮闘し、子供の心情をうまく理解している。
これは聖書でいう「ヨブ」の物語だ。
宗教は人間の都合で左右される。現世利益があれば神を信じるし、なければ神を信じない。そういう意味では子供の正直な気持ちがよく伝わってくる映画である。ただ世界20億人の精神的支柱でもある救世主の扱いには、もう一段の工夫と配慮が必要かもしれない。
皮肉にも青山学院を卒業した監督に、イエスがお嫌いかどうかを聞いてみたくなる作品だった。
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