劇場公開日 2019年5月31日

「ひとり人生ゲーム」僕はイエス様が嫌い kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ひとり人生ゲーム

2020年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 雪深い地方の町。小5のユラが転校したのはミッションスクールだったけど、普通の学校だよと教えられ、なんとなくお祈りをするうちに小さなイエス様が彼の前に現れるようになった。大人になってから細かく思い出すのが困難だろうから、22歳の奥山監督がカズマの記憶とともに捧げた作品なのだろう。不思議とノスタルジーも感じられるのは、この作品が誰しもが持っている原風景を映しだしただけなのかもしれません。

 面白いことにキリスト教を前面に表したのではなく、お祖父ちゃんは仏壇にいるし、神社にお参りもするというところ。日本人ならこれが普通だよね、と感じてしまいます。もちろん子どもたちの遊びもごく普通。サッカーをしたり、流星群を見に行ったり、別荘に誘ってもらったり。そんな中でも人生ゲームで遊んでるところが好きだなぁ。ただ、ゴールは誰でもできるんですけどね・・・

 激しく流れ星が落ちるシーンには答えがあるけど、答えのないのが亡くなったお祖父ちゃんの障子に穴をあけてしまう癖。これは色んなことが想像できるけど、それ以上に理解に苦しむのが、ユラが体育の時間(サッカー)の途中で勝手に帰ってしまったこと。何だったんだろう・・・ひとり人生ゲーム。これが事故に繋がるのかな?全体を通してみると、監督が22歳にして断片的な記憶しか残らなかったことの表現かもしれませんが、これから先、鮮明に思い出す日が来るのかもしれませんね。

kossy