「まずタイトルがいいなぁ」僕はイエス様が嫌い ぴゅあるさんの映画レビュー(感想・評価)
まずタイトルがいいなぁ
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日本で宗教を取り扱うのも珍しく、しかも22歳という若さの監督が撮ったというのは少し驚きがある。
と思って調べてみたら、監督もミッション系の学校で育ったとあってなるほどと納得。
淡々とした長回しの中に、日本ならではの特殊な宗教との関わり合いや少年達の小さな心の動きが表現してあって見事だなと感じた。
見ていて塩田明彦監督の『どこまでもいこう』を思い出した。
冒頭、東京から引っ越してきたユラの目線でミッション系の学校の様子を描いてる。これがこのまま続くと少し退屈だなと思っていた所に小さなイエス様登場。そしてタイトル。なるほど、これはこういう映画なんだなと感じさせる構成、興味を持たせる画造りに感心。
4対3の画角でシンメトリーな画で均衡を保っていた世界が、友達の和馬が死んだ事で斜めに揺らぐ。イエス様という今まで信じていた存在に裏切られたことでそれが崩れる。
語りなどではなく、画でそれがきちんと表現出来ているのはすごい。
手紙を読んだ後のイエス様を押しつぶす場面や、ラストの神目線での2人の出会いの場面も、見ている人をすごく意識しているなぁと思った。
なんだか松本大洋の漫画みたいだなぁと感じた。
第2作目がどんな風になるか、非常に興味ある監督だ。
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