「静かなる鬱屈」僕はイエス様が嫌い aMacleanさんの映画レビュー(感想・評価)
静かなる鬱屈
やっぱり「みずみずしい」という表現になるのだろうが、どうもその言葉はありきたりすぎて、どこかパーツが足りない感じがする。
映画としての画づくりは、恐ろしく安定していて、観る人にやさしい。画の中身は家庭のビデオとして撮ったような印象もあり、親近感が湧く。画面サイズが昔のテレビの縦横比くらいで、最近の横長の情報過多な画面より、静かで落ち着いて観れるように感じた。そういえば、ケイシー・アフレック主演の”a ghost story”も同じような画面だったが、視点の動きを少なくした静かな映画は、画面サイズを横長にしないほうが、うるさくなくて見やすいかもしれない。
ストーリーは、とても優しく描いた「沈黙」のようだ。自然に神様の存在を感じられる主人公のユラは、何度も裏切るキチジローとは全く違うが、何故か重なるところが感じられる。宗教色は抜きに出来ないが、監督から「子供の頃こういうことがあってね」と、語られているようで、違和感はまったく感じなかった。
子供を中心に物語が進む中、とても綺麗に掃除されているが、どこか埃っぽさを感じる部屋のような、独特の感覚が沸き起こる。
「面白い小品」として、心に留めておきたい作品だ。
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