「「黙ってピアノを聞いてくれ」」黙ってピアノを弾いてくれ bloodtrailさんの映画レビュー(感想・評価)
「黙ってピアノを聞いてくれ」
ピアノだけ弾いてれば聖人。話せば馬鹿野郎。行動は意味不明。
正直チリゴンは、うざいと思う。チリゴンのピアノが美しいことを知ってからも、彼のキャラクターの印象は、なぜか全く変わらない。それくらい、やることなすこと話すことの全てがウザイ。友達には絶対したくない男だし、天才って言いたくない、こんな変な人。
だがしかし。余分な音が、ありそうでないSolo Pianoの美しさには鳥肌が立つ。Youtubeにチリゴンの弾く手指と鍵盤だけを写す映像がある。顔や姿は撮りたくないんだね。わかる。映像を見て、あらためて思うのは、ダイミズムの欠如。キース・ジャレットみたく、左手が強烈に動き回るでもなく、ピーターソンみたいに巨大な左手もなく、ペトルチアーニほど端麗でもなく。俺にも弾けそうな感じ、するやん。弾けんけど。だから、静かに語りかけられてるような気がする、この左手に。
Shut up and play the Piano が原題。どっかで聞いたことあるよ、それ。でも意味合いは「黙ってピアノを聞いてくれ」
映画はさておき、チリゴンのピアノは、もっともっと多くの人に聞いて欲しいです。が、彼には調子に乗って欲しくないので、あまり流行らないで欲しい、ってのもある。
黙って弾いてくれれば、みんな黙って聞きます。それだけは保証する。ピアノだけ弾いてれば、やはり聖人に違い無いと、改めて思う映画でした。
ドキュメント映像に、ちょっとだけ付け足された演技部分がまた、チリゴンらしいし、ピアノがアップライトって所もナルシズム全開で彼らしい。
今晩は。
大変ご無沙汰しております。
”こりゃまた渋いところを攻めてますねw”
そうですよね。私は、フライヤーは絶対に捨てないと言う奇癖がありまして。今作のフライヤーはコロナ禍前に京都に頻繁に足を運んでいた時期に当時会員だった「京都シネマ」で手に入れ、絶対面白いな!と思いながらずーっと手元に置いておいた作品です。
結論から言うと、矢張り面白かったですね。メインストリームの作品ではないとは思いますが。
序に言えば、今夏は4年振りに京都に行く予定だったのですが、まさかの台風直撃。五山の送り火も久しぶりに観れるなあと思っていたのですが、自然には勝てませんね。明日まで家で読書、映画鑑賞、音楽鑑賞をしていますよ。では。
これからも宜しくお願いいたします。