「折角の劇場版、もっと挑戦して欲しかった。」劇場版 美少女戦士セーラームーンEternal 後編 REOさんの映画レビュー(感想・評価)
折角の劇場版、もっと挑戦して欲しかった。
前編よりは一つの物語としてまとまっているので、(前編は尺が短いのに原作では即倒されるアマゾントリオの見せ場を無理くり作ろうとして、折角の内部四戦士の見せ場がショボくなっていました)
飽きずに見れました。作画がちょっとおかしくなっている所もありましたが、許容範囲内です。
ただやっぱり静止画とモノローグが多く、劇場版アニメとしてはもっと見せ方に工夫が欲しかったかな。
本作の監督が見せ場と言っていたエターナルセーラームーンの変身シーンも、バリバリアニソン的な曲が流れて、拍子抜けしてしまいます。ほかの戦士たちがセーラームーンにパワーを送る所は、何かプリキュア映画のミラクルライトを振るシーンを想起してしまい、ちょっと笑えてしましました。
元々原作があって、オチのわかっているストーリーをアニメにするのだから、もう少し今回のアニメ制作スタッフ達の個性を活かして90年代アニメ版を超えて見せるぞ、という気概を見せて欲しかったです。
原作を表面的になぞっているだけに終始してしまい、何の意外性も無く淡々と終わる印象です。
セーラー戦士が自分たちの城の名前を叫ぶシーンとか、セーラーパワーガーディアンの設定とか漫画だと普通に見てたけどアニメとして見ると凄い違和感を感じます。後、ウラヌスとヴィーナスの私達の探し求めていた聖杯!、的なセリフも改めて聴くとそんな設定あったっけ?と白けてしまい、
アニメ的にもっとカッコいいセリフに差し替えても良かったよな、とかなり思います。
ゲスト声優の菜々緒さん、渡辺直美さんですが、個人的にはそんなに気にならないというか、
この映画の宣伝の為に敵役やってくれてありがとう、という気持ちになりました。ネヘレニア、ジルコニア共に原作以上に醜い異形の表情を見せるので、そんな絵に声をあてるのも抵抗あったんじゃないかなと、心配になります。
それより、セーラームーン役の三石琴乃さんの作り声の方が違和感が強く感じました。セーラームーンの声を作る事に意識がいってしまっている気がして、イマイチ感情移入できません。(それはCrystalシリーズにも言えますが)
地声に近い感じでもいいからもっと本気の三石琴乃さんの演技でセーラームーンを見たい、と強く思いました。
色々批判的なコメント書いてしまったけど、これはセーラームーンへの愛があってこそ。
第五部もやるような終わり方だったので、次作に少し期待をします。