「シャロンテートに愛を込めて」ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド 19歳®︎さんの映画レビュー(感想・評価)
シャロンテートに愛を込めて
私にとって8月9日はずっと消えないトラウマだった。
彼女の事件は数々の名作ホラーを生み出した。
この映画の最後にも、きっと身ごもったシャロンがマンソンファミリーにビートルズの歌を歌いながら腹を刺されるのだろうと予想していて、少し行くのは戸惑った。
だがタランティーノは裏切った。
シャロンが映像の中に生き返っているではないか!?
音楽を聴き、パーティーで遊び、夫のために本を買って自分の映画を足を組みながら見ている。
タランティーノは決して彼女を悲劇のヒロインとして書くのではなく、1人の女性として彼女を映像の中に生き返らせてくれた。
彼女と彼女のお腹の子は無くなってしまったことは本当に悲しく、世界の流れも変えた。
しかしながら、事件の悲惨さだけを切り取った映画から抜け出し、彼の映画の中で、自分が生きていたまんまの世界でこれからも生き続けられる事は、彼女や彼女の遺族、友達にとって最高の幸せではないだろうか。
タランティーノは映画ファンたちのトラウマを消してくれた。
この映画はまるで「この世界の片隅に」のように優しく、敬意のこもった映画である。
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