「青春ラウンドアバウト」さよならくちびる 野々原 ポコタさんの映画レビュー(感想・評価)
青春ラウンドアバウト
ヒトが織りなす人生模様を “ 人間交差点 ”と呼ぶならば
本作『さよならくちびる』のハルレオたち…
そう、ハルとレオ、そしてシマ、三人たちは
けっして交わることのない
一方通行な “ ラウンドアバウト ”を周回しながら
ハルレオとして最後の全国ツアーにおもむく…
少なくとも冒頭部分での旅の目的は…
「終わりは始まり」
解散を決意してのぞんだ旅路は、三者三様の
音楽をする理由、出会った理由、仲がこじれた理由
そして、それら本来の意味を見つめ直す旅路でもあった…
そんな若者たちの、人生の1ページを切り取った
まぶしい青春群像劇で彩られた作品でした。
本作は感性でみる類の作品とは思いますが
理屈っぽいわたしは観賞前に楽曲を聞き込み
ついには歌詞を書き起こして
パート毎に色分けまでして観賞にのぞんだので
ストーリーが染み込む染み込む(笑)
物語が飲み込みづらかった方は
ぜひ!一度歌詞を読んでみてください!
少々吸い過ぎな煙草の描写とか…
コンクリを掘り返そうとする少女が象徴するものとか…
妙に歌唱力があるファンの女の子たちとか…
考えてみると深く味わうことができるでしょう。
【 門脇 麦 × 小松菜奈 × 成田 凌 】
出演のロードムービー!
こんなわたしにとってのファンムービー!ほかにない!!
そんなわたしでも星4つの理由は
きっぱり解散するのでなく、一時保留っぽくしたからです。
一抹の希望・含みを持たせたかったのは理解できますが
態度ではまだ名残惜し気でも、
せめて言葉で【解散】って言ったほうが
本作の主題がはっきりしたのではないのでしょうか?
あと、彼女たちのこころ模様を機微に作品中を彩るには
楽曲が3曲だけでは足りなかったと思ってしまいました…
タラレバの欲張りなほしいモノねだりではありますが(笑)
歌唱力は周知の事実!
今後わたしの中のカッコいい女性像を
更新し続けるであろう門脇 麦さん!
役柄がとっても新鮮で魅力的!小松菜奈さん!
『チワワちゃん』『愛がなんだ』とは対照的すぎ!
どんだけイケメンかよ!成田 凌さん!
さて、ここからは毎度のことながら
個人的に思ったこと書きまーす
ハルレオが最初にライブに訪れた場所、「浜松」
先週、久し振りにわたしが訪れた場所、「浜松」
夜の湿気と風が淋しくいりまじる駅近くで、路上では珍しい
女性のストリートミュージシャンを見かけました。
彼女が歌う理由っていったいなんなんだろう?
…と、わたしは思い印象に残りました。
それでわたしが浜松に訪れた理由は
そこある単館シアターで今年一番の話題作、
『岬の兄妹』を観賞に出かけたからです。
主演「松浦祐也さん」の快演も記憶に新しいですが
『さよなら~』にも出演してましたね。
中盤でハルが語るエピソードに出てくる
椅子に座らせ百円でマッサージするホームレス役。
印象的な場面と相まって
なんかそのホームレスがその後の“よしお”みたいで
感慨深かったですね…