「迫力のない」斬、 ドラゴンミズホさんの映画レビュー(感想・評価)
迫力のない
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塚本晋也が目指したものが何だったかイマイチ、ピンと来ない。
武士として剣技をあそこまで極めた男が切れないというのは違和感でしかない。そこに至る説明がない。夢を見いだせない現代の若者を被らせるには無理がある。手持ちのカメラワークも合ってない。制作費の無さが画面に滲み出すのに一役買ってしまっている。時代劇はファンタジーなのだから、世界観を作れなかったら入り込めない。塚本監督が目指したのはそういう時代劇ではないんだろうが、何がやりたいのかもよくわからない。
殺陣の場面も最悪だ。早すぎるカット変わりで、何をやっているのか全然わからない。既存の剣劇を避けたのかもしれないが、ただの混乱で迫力もない。
主人公のバックボーンを描いていないからこんなウジウジキャラは共感出来ない。共感させないことが狙いなのだろうか?こんな男に女が惚れるのもさっぱりわからない。
結局、何が狙いなのかさっぱりわからない。
もしかして…。虚無に生きるが現状を変えられない現代の若者が電車で優先席に座っている。老人が乗車してきて席を立つべきなのだが勇気がない。同じく乗ってきた大人に注意されて逆ギレして刺しちゃった…って話か?
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