「現代に通じるなにか」斬、 andhyphenさんの映画レビュー(感想・評価)
現代に通じるなにか
なんだかよくわからないが足に力を入れ過ぎていたようで観終わった後立ち上がったら生まれたての子鹿のようになってしまった...。
恐ろしい、恐ろしい映画だった。映画を観た後のカタルシスは一切ない。ここで終わるのか...!いやでもここで終わるしかないよね...みたいな...。ここで終わるのが生々しい手触りというか...。
当たり前に時代劇を流していると忘れがちな「太平の世に人を斬る必要はない」=「刀で人を殺すというリアルを感じられない」というのがあからさまに現代日本の自分たちのようだった。躊躇なく斬る者が強いのか。強さへの無邪気な憧れへの警鐘みたいなものを感じた。
池松壮亮も蒼井優も生々しくて良い。音も生々しい。最後の叫びが耳を劈き、私の心を容赦なくぶちのめした。ぶちのめされた80分だった。
コメントする