「微妙すぎて確かに泣ける」映画 妖怪ウォッチ FOREVER FRIENDS 水樹さんの映画レビュー(感想・評価)
微妙すぎて確かに泣ける
確かに設定とコンセプトはいいのだけれど…
とにかく設定を活かしきれていなくて話のぶつ切り感が凄いし、結果として感動をゴリ押してくる感じになってしまって共感しづらい面がある。
まず第一にこれを妖怪ウォッチでやる必要はあったのだろうかという印象が強い。
話自体は主人公とイツキの友情物語ではあるが、とにかく妖怪要素がバトル以外ではほぼ不要…妖怪と人間の友情はそっちのけ。
しかも半端にバトルや妖怪を盛り込むせいで2人の友情の深まり方がまったく共感できないし、2人の人間性や思考の違いや、そこからくる見解の相違や互いを認めるための対話がほとんどないため、何をもって友情が深まったのか理解も難しい…。
ただただ淡々とシナリオ通りに演じてるだけの人形のような人物像になってしまっている。
妖怪面にしてもイツキと紫炎の対話もないままなので、紫炎の善の感情と悪の感情とイツキ自身、そしてイツキの内面と向かい合う点がないので、融合した2人の姿を見ても、あぁフュージョンして強くなったのね…位の感想しかない。転生も紫炎の存在をイツキが乗っ取っただけな感じ…閻魔大王も自分の教育とかを振り返ろうとはしないし、子供と他人が融合して転生したのに、コメントが他人事すぎる…。
シャドウウォッチになってから、シリアス、憑依などのシステムから、ギャグ色を薄くしてシリアス面を強くしていたが、それがかなり裏目に出ている印象…。
守護霊の話から始まるが、別に守護霊がなんであっても関係ない感じだし、強い守護霊が付いてましたね、お父さんと同じこと言ってますねくらい…。
旧妖怪ウォッチで、主人公に寄り添っていたジバニャンという構図を 主人公とスーさんでやりたかったのであれば、もっと絡めても良かったのではないか…
っというか 孤独な主人公とそれに寄り添う妖怪(猫又)を中心に話が展開するもんだと思っていたから、正直拍子抜け感がすごい…
感動をメインにしていたが、感動は適当に突っ込んで、どんどんキャラが強くなるバトル映画という印象だった。
あととにかくお母さんとお姉さんの死体の放置っぷりが気になってしょうがなかった…
あと物理的にあちこち盛大に破壊されると、なんかそのあたりも気になってしょうがない…
キャラと設定とコンセプトはすごい良かったんだけどなぁ…