「【”結果よりも自分が好きなモノ、書いたモノを見て貰いたいという、動機、プロセスが大切なんだよ。”自閉症の若き女性の自分の夢を紡ぐためのロードムービー。】」500ページの夢の束 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”結果よりも自分が好きなモノ、書いたモノを見て貰いたいという、動機、プロセスが大切なんだよ。”自閉症の若き女性の自分の夢を紡ぐためのロードムービー。】
ー ロードムービーって、何で面白いんだろうと時折思う。
今まで数作観て来たが、ロードムービーで面白くないと思った作品は皆無である。
この作品では、その”解”の一つが描かれていると思う。
■自閉症のため、スコッティ(トニ・コレット)が運営する施設に入居しているウェンディ(ダコタ・ファニング)は、家に戻りたい気持ちを抱えつつ、大好きなスタートレック(特に好きなのは複雑な感情を持つ異星人、スポット)の脚本を執筆する日々。
そんな彼女が気付いた、スタートレックの脚本コンテストの広告。
今、2月14日だが、2月16日のPM17:00までに、ハリウッドに届けないとイケナイ。郵送では間に合わないと気づいた彼女は、数百キロの旅に出る決意をする。
◆感想<Caution! 内容に触れています。>
・今作は、他人とのコミュニケーションがうまく取れない自閉症ながら、機知に富んだ独創的な作家の“魂”を宿す主人公・ウェンディを演じたダコタ・ファニングの演技に尽きると思う。
・彼女を心配し、探すスコッティや姉オードリー(アリス・イヴ)の善性溢れる姿もよい。
・道中、盗難に遭ったりしながらも自力でハリウッドの出版会社に辿り着いたウェンディ。編集者のツレナイ規則に従った態度にもめげず、無事脚本を投函する。
<今作のラストは清々しい。
落選通知を受けたウェンディだが、晴れやかな顔で姉オードリーの子に会いに行くのである。
人生は結果が全てではない。
目標を達成しようとする強い想いと、実行する過程が大切なのである。
きっと、ウェンディはこの旅を通じて、多くの人に出会い、世界観が広がったのであろう。
今作は佳き作品であると思います。>