「9月の映画館」500ページの夢の束 ruさんの映画レビュー(感想・評価)
9月の映画館
透明でちょっと切ない初秋の映画館にぴったりと思いました。舞台は2月だけど。
原題のplease stand by(そのまま待機)は、ウェンディのパニックを鎮めるために用いる言葉。
むしろウェンディの選んだ道のりはgo forwardそのものなので少し不思議なタイトル。
皆の望み通り待機していたら冒険もなかった。
待機あっての前進なのか…時々思い出してみよう。
よくある「幸運をお祈りします」レターも、ウェンディは遠い世界から届いた啓示のように一字一句厳粛に守るんだろうな。
そして健やかでいてほしいな。なんて思う。
大好きな色のセーター、焼き立てのシナボンの香り、たっぷりのフロスティング。
ちょっと震えている子犬、ふるいピアノの響き、友達のプレイリスト、明け方の光。
誰のそばにもある祝福。
ウェンディが願いを託して選んだ言葉を味わいながら、もう一度観たいです。
コメントする