「見事なとどめ!(観客に対して)」GODZILLA 星を喰う者 nico nicoさんの映画レビュー(感想・評価)
見事なとどめ!(観客に対して)
三部作全部見ました!
【良かったところ】
宇宙船が破壊する直前のオペレーターの「すでにブリッジの生命反応がない!?」的なことを言った瞬間ちょっと面白かったです。
最後にハルオが散るところで思わずガッツポーズをしたので自分もストレスが溜まってたんだなと思いました。
ハルオは劇中の人間も、今回の映画をかすかに期待してた観客もことごとく不幸にしているあたりダークヒーローっぽいなと思いました。(褒めてはいない)
【悪かったところ】
1,2、3部作合わせて全部フツアの里に迷惑かけっぱなしなところに一貫性がありましたね。(まったく良くはない)
ハルオはどうせどっちかわからないなら妹も姉も両方手を出せばよかったと思います。どうせ観客からの好感度地の底なんだし。
冷静に考えるとこの作品では人間に対して希望が持てないんだなと思いました。
ハルオみたいな怒りを持った人間がいる限り同じようなことが繰り返される可能性があるって時点で人間たちはフツアの里で土着しちゃあかんでしょって思います。(フツアの里のひと優しいから拒否なんかしないだろうし)
あと、最後で幼馴染ちゃん荷物のようにバルチャーに持ってって特攻するシーンで少しフフッてなりました。心臓動いてるとか脳死とか期待持たせるところで生存ルートのシナリオもあったけど、今回のシナリオに決まってどうしようもなくなってハルオと一緒に処分したんだろうなぁと製作陣の舞台裏みたいなところを想像できるあたり、学園祭の模擬店みたいな感じがありました。
ハルオの名前の由来の「春」のシーンもゴジラがいても復活していたって最後のほうでわかったところで「やっぱ1、2部で思っていた通り時間をかけて調査したほうがよかったやんけ・・・」としか思いませんでした。ゴジラがいなくなって春が戻ってくるならまだしも、最初から春がありましたってどんなコントだよって思います。
今回みたいな作品を見せられるならやっぱり2部作のラストでビルサルドの邪魔する必要はなかったと思いました。
ゴジラを退治したあとメカゴジラのナノマシンに支配された星だろうと人間が幸せに暮らせるならもうええやんって気がします。
あとエンディングで双子ちゃんのお姉ちゃんの腹が大きくなったところを見たところで「未成年、妊娠、逮捕」とか思いましたが警察がいない世界だから結果オーライなんだなと思いました。
パンフレットでハルオが特攻するだけだとやけっぱちに思われるから双子ちゃんの姉とくっつけましたとか書いてありましたけど、どうよく見せようとやけっぱちにしか見えないので双子ちゃんの姉とくっつける必要はなかったと思います(むしろくっつけたことで地味に傷ついている観客のほうが多いんじゃ?)
幼い女性に手を出して子供作って後は頼んだ!って現代の価値観で考えてもなかなかのクズっぷりが際立ちましたね。そしてヒーロー面するからますますクズに磨きがかかっていす気がします。
【まとめ】
前作の感想も書いたのですが、その時にフツアの里と双子ちゃんが無事ならオッケーと書いたのですが、双子ちゃんの姉がハルオに手を出されてしまうあたり、「ああ、この作品ってほんと観客に優しくねえな」と思いました。
最後になりますが、同時期に上映しているボヘミアンラプソディはとっても面白かったです。(パンフレット品切れ悲しかった)