「オイカリ様」GODZILLA 星を喰う者 いぱねまさんの映画レビュー(感想・評価)
オイカリ様
エンドロール後のエピローグはあんなシメで良いのかどうかは、解釈自体が難しいのではっきりと評価はできないが、総じて完結編としてはグズグズっと終わった感じである。確かに、或る意味壮大な哲学的思考を大風呂敷で拡げて置いて、結局最期は、全てを乗っけてゴジラに突っ込むという自殺行為をすることに意味を見出せるとは思えないし、かといってでは別の何かがあるのかと言えば、やはり“モスラ”の孵化を待つしかないということしかない。まぁあの科学者が何かしらの知能を用いてモスラに何か施すことくらいかな。
あの特攻でも多分ゴジラは死なないだろうから、本当の神を待つしかないのかもしれない・・・なんて、何ともやりきれない話だ。
科学の結晶でもあるメカゴジラ、人智以上の超能力によるギドラ、その両方とも結局人間は拒絶するという選択はまぁフィクションとは言え、そうしないとストーリー展開が拡がらないから仕方がないのだけど・・・ でもなんだろう、このなし崩し的な帰結は・・・。
多分、これをきちんと解釈出来るキーは、小説なのだろうね。そこでの利益も考えての構成ならば、大したものだし、それこそ人間の汚い部分を作品を通じて観客に訴えてるようなものだが(苦笑
宗教のメカニズムを優しく教えてくれたことは知識として興味深かったが、哲学的にここまで作り込んだプロットなのだから、もう少し新しい方向制を示してくれると嬉しかった。“勝つこと=生き残ること“、”人間は前座“、”E = mc2“等のパンチラインが並んでいるのだから期待は否が応でも上がったんだけどね。思念の中の闘いは、もっと幻魔大戦的でも良かったのではないのかな?
まぁ、色々とケチはつけてしまうのだが、だが、大人が耐えうるアニメを制作する事自体は止めないで欲しいと願うばかりである。