「年齢という枷は外して」また、あなたとブッククラブで KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
年齢という枷は外して
ダイアンは長年連れ添った夫を亡くしたばかりの独り身、ホテル経営者のビビアンは過去の失恋がトラウマとなり独身に拘る。
判事のシャロンもまた過去の離婚から独身に拘り、キャロルは唯一夫は側にいるものの夫婦仲は冷めかけてる事に悩んでる。
そんな男性欲が満たさずにいる4人は長年仲が良く読書会を開き親交深めてる。
ある日ポルノ小説などを共通して読む事になりそこから彼女らの欲が刺激され求めるようになる。
ダイアンは機内でナンパにあったパイロットと、ビビアンはマッチングアプリで知り合った男性と、シャロンは過去の失恋の相手と、そしてキャロルは夫と以前のような関係を築こうと各々励む。
ただ現実はなかなかうまくいかない。そこには各々これまで長年独身を築いてきた変なプライドや今更恋愛する事への躊躇いや恥ずかしさ…各々が自分の年齢を枷としてその先に進むことをやめてしまうわけだ。
ただこの作品は男性人が素敵である。年齢なんて関係ない、今からだって新しい事にチャレンジする事は素晴らしい事なんだ…このような考えを持っているものばかりで最後は彼女らはその考えに背中を押され恋をする事で話は終わる。
昨今このタイプの作品はよく目にするがこの作品の面白いところは序盤はこれでもかというくらい高齢者とセックスを交えたコメディシーンをバンバン挟んでくる。
あまりの多さに若干胃もたれしたが、シャロンの夫のバイアグラシーンは声が漏れてしまう程笑わせてもらった。流石にあんなに即効性はない(笑)
最終的には年齢は関係なく、いくつになっても新しい事に挑戦していいんだというよく見るストーリーとはなるが序盤の「性」を絡めたコメディシーンが新鮮味があり楽しませてもらった。
もちろん本人たちが自ら課する年齢による枷もそうだが、この作品で言えばダイアンの娘たちの様に周囲が必要以上に高齢扱いをし、故に自由を奪ってしまう事への愚かさもこの作品では学べる。
高齢者を大切に扱うことはもちろん大切なことであり素晴らしい事ではあるが、必要以上に介入する事はかえって自由を奪い老いを早めてしまう事であろう。
笑いあり、そして感動あり、そして勇気をもらえるとても良い作品であった。