うちの執事が言うことにはのレビュー・感想・評価
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バカバカしい設定なのに話に泣いた
若くして烏丸家27代投手になった花穎と、若くしてその執事になった衣更月が、互いにぶつかり合いながら成長していくって話なの。
当主とか執事とかバカバカしい設定なんだけど、冷静な話し方で「その口調でも、その内容なら、反感持つわ」っていう会話を序盤は繰り返すのね。「こりゃ二人はいがみあっちゃうぞ」っていう展開の中に「パーティーで女子トイレで女の人が倒れ、花穎が犯人と疑われたって状況がくんのね。うまい。
ここで当然、互いの本音がちょっと解んの。ベタなんだけど感動。
仲良くなって「ああ、良かった」って思ってると、次々に襲いかかる試練。「こんな悪意にさらされたら、純真なこいつら二人ひとたまりもないぞ」と思っていると、当主も執事もそれぞれ頑張り、大逆転。
『誰も見捨てない』宣言に「シビレル、当主さま!」って感じだね。
衣更月役の清原翔は、まあまあ演技上手い。花穎役の永瀬廉は、演技ちょっと難がある。でも、上流階級の役で、普段の発言が芝居がかってるから気になんないのね。芝居がかった芝居は簡単なんだろうな。
「演技は気にならない」という最低線を用意して、イケメン二人がぶつかり合う話だから「なに? 一歩間違ったらBLなの?」って感じもあるし、意味なくシャツをはだけたシーンや風呂上がりシーンもあるし、結構楽しめるんじゃないかな。
主人公が甘すぎる
原作:未読
花頴がちょっと甘すぎると思うところがあります。
大切な使用人を傷付けられたのに、
許すところ…
ちょっと共感出来ないですね。
あと、犯人が赤目だと分かるくだりも
推理するシーンがなく、、
うーん、とりあえず衣更月が
濡れ衣を晴らすために頑張っていることしか分からない。
ところどころツッコんでしまう感じでした。
演技は申し分なしでした。
あと、お家やら衣装やら豪華で良いですね。
良作
面白かった。
前に原作1巻だけ読んでたので、どうなってるのかなと見に行ってみました。
主人公は、確か原作だと18にして既に博士課程まで修了して研究者だったはずですが、映画では学士修了のみ、また原作ではもっとクールな頭脳派に感じましたが、映画の方は少し子供っぽさが残る設定に感じました。
最後まで観て、子供な主人公が使用人を従えながら当主として責任を負っていく決意をするという成長を書いてるので、あえて初期は原作より頼りない感じにしたのだなと思いました。
その分、周りが主人公についていこう思う説得力が別の所で必要なわけですが、主人公演じる永瀬さんの愛される演技がいい説得力になってたと思いました。見た目も可愛いですけど、声がとても温かくて優しいんですね。
あんな声で主人から声をかけてもらったら、尽くそうという気になってしまうなと思いました。
最後のシーンで主人公が泣いてしまうのですが、演技なのかホントに泣いてるのかわからないんですが、ほんとに泣いてるドキュメンタリーを見ているようで、ちょっともらい泣きしかけました。まわりも鼻すすってる人がいました。
冷静に考えると、そこまで泣く場面かな、と思ったんですけど、子供が本当に泣いてるともらいなきしそうになるじゃないですか。そんな感じです。だから本当に泣くところではないのに泣いていたのかも?
執事は、原作を読んだときはもっと切れ長のシュッとした感じのイメージだったので、最初はたれ目の方であれ?って思いましたけど、現実離れしたスタイルがあってましたね。
原作だと、主人公がより大人っぽく、執事の方がちょっと子供っぽい部分があって対等なイメージでしたが、映画だと完全に執事が包む方という感じで、その感じに、演じた方の優しい顔があってましたね。
赤目君は、原作のイメージより可愛い感じに寄ってましたけど、この映画自体の優しい感じにあってたと思います。
演じてた子は目がすごく大きくて、感情を目の動きひとつで表現できてて羨ましい。
感情の高ぶる場面も迫力があって、冷静に考えると、なんだよその動機・・人怪我してんだぞと思ってしまいますが、観ている間は引き込まれて考えませんでした。
ほかに原日出子さん、奥田えいじさんも主人公を優しく見守って、ほんわかしました。
まあ、主人公に何も言わず出立するのは映画の脚色とはいえちょっとひどいと思いますけど。
偶然ながら、丁度皇位継承と重なったのも面白いです。
しかも映画の中で「調和」、「輪」、「和」
という言葉が何度も出てきて、令和を思い出しました。偶然ですけど時事的にテーマが重なって面白かった。
プロットが面白いというよりは、可愛いもの、優しいものと温かいものと美味しそうなものが沢山出てきて癒されたので、もう一回見に行こうかなと思っています。
意外と拾い物。工夫次第で続編はもっと面白くできそう
"ご主人様"と"執事"がコンビで事件を解決・・・と聞くと、どうしても「謎解きはディナーのあとで」(2011-2012/2013)が頭をよぎる。
また、主演がジャニーズ"King & Prince"の永瀬廉と聞いて、"アイドル映画"と構えてしがいがちだが、これは拾い物。永瀬ファンでなくても十分楽しめる。
永瀬廉が演じるのは、若くして名門・烏丸家の当主を継いだ、烏丸花穎(からすま かえい)。そして花穎と同世代の青年執事の衣更月蒼馬(きさらぎ そうま=清原翔)の掛け合いが楽しい。同じ"King & Prince"の神宮寺勇太が赤目家の御曹司・赤目刻弥役を演じている。
合理化した現代社会において、執事やメイド、また貴族の生活作法など上流社会の人々を揶揄したようなプロットがウケるのは、背景に一般の格差社会の陰を感じているからかもしれない。
本作のエピソードにおいては、事件の謎解きミステリーはそれほど重要ではない。
留学先からの帰国直後に家督相続を突きつけられた花穎と同じく、先輩ベテラン執事からポジションを承継することになった衣更月。
主人と執事が、どちらも"駆け出し(新人)"というところがミソ。
確固たるアイデンティティーのなさや、互いに相手からの信頼感に不安を抱えて、なかなか距離感が縮まらない。それが烏丸家をめぐる事件をきっかけに徐々に変わっていく。一歩ずつオトナに成長していくヒューマンドラマになっている。
ついでに使用人のマナーや責任範囲、服装コードなどのエピソードもあって、勉強になる。地味に奥田瑛二が脇を固めているのが、よかった。
この面白さは、やはり原作小説のストーリーがいいということだろう。高里椎奈(たかさと しいな)の原作は全9巻もあるので、続編やドラマ版もありかも。
シネスコ画角というのも珍しい。シリーズ化には、大物ゲスト出演者(できれば華のあるヒロイン)などの工夫が必要だと思うが、東映の新たなシリーズになれば面白い。
(2019/5/19/ユナイテッドシネマ豊洲/シネスコ)
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