欲望に溺れてのレビュー・感想・評価
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褒めレビューだがそこまで面白い訳ではない
女優メラニー・ロランの監督作品「ガルヴェストン」で彼女の才能を感じたので他の監督作品として本作を観てみることにした。
美しい画を撮ろうとしているようにはみえたが全体的に無難に撮ったという印象の方が強く残った。
映画監督は大体、一番最初が良くて段々悪くなる人と、徐々に良くなる人に分かれるが、メラニー・ロランは後者なのだろう。
監督が本業ではない人の多くは尻上がりタイプなので今後に期待する。
内容は、ここ何年もの間で流行っている、女性の自立、解放系の作品だと思う。
面白いのはハリウッドでは強い女性、男と同じことが出来る女性、なんなら男をぶちのめす女性という、女性を上げる方向のアプローチなのに対して、適切な表現ではないかもしれないが、女性を下げる方向のアプローチなのがフランス映画らしいと思った。
下げるといっても悪い方に男と同じことが出来ます的な、要は男と女で性別にかかわらず同じように評価してくれと言っているわけだ。
この辺が、うわべだけ取り繕って中身なんかほとんどない商業映画ハリウッドと映画は芸術と言い切るフランスの違いなんだろうな。
更にいうと、パスと旦那は名前なんだ?の性別を入れ替えても同じ作品として成立してしまう、すでに男だからとか女だからとかを超越しているところは良いよね。
サメを追う女、女を追う男。
これはロラン版「グラン・ブルー」だなと思った。
物語は全く違うところから始まっているし、望みに対する想いの強さにフォーカスした「グラン・ブルー」と、想いに対する枷にフォーカスした「欲望に溺れて」という違いもあるけどね。
「グラン・ブルー」に美しさを感じたかい?ならば性別を入れ替えた本作はどうだい?と言っているような、それこそフランス映画らしい女性の自立、解放の表現なのかなと思ってみたり。
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