「本当に満足いく作品でした!」七つの会議 M.Shigureさんの映画レビュー(感想・評価)
本当に満足いく作品でした!
名だたる豪華キャスト それも実力のある
ベテラン俳優陣ばかりで圧倒される演技でした。
池井戸潤作品は幾つか拝見していますが
七つの会議がダントツで面白いです!
過去の過ちを後悔し自分を責める八角の
ダメ社員というレッテルの裏に隠された
誰よりも強い正義感は本当に感動しました。
別の作品で香川さんが演じた役が黒幕だった事もあり
初めは北川が全ての黒幕だと思い込んでいましたが
彼も梨田という重圧に負けてしまい
過ちを繰り返しているのだと分かった時は
本当に恐ろしかったです。
坂戸や原島は北川に北川や宮野は梨田に
梨田は徳山にと それぞれが誰かの重圧に負け
不正を積み重ねていく。
上司のミスは部下のもの。
部下の手柄は上司のもの。
ノルマ達成という会社の“闇”
そういった体質のせいで不正というものが
なくならないのかと思うと
非常に考えさせられる作品でした。
八角の言う通り きっと不正はなくならない。
それでも根気強く正していく事で
不正が減って今より良い社会になるのでは?
保身や利益に囚われた社会では難しい事でしょうが…
結局リコール隠しが明らかになっても
御前様は梨田に全ての責任をとらせ
椅子に座り続けたわけで完全にスッキリする
結末ではありませんが それでも
責任をとるべき人物が責任をとり
巻き込まれた人物は路頭に迷う事なく
新しい職につけた事が分かりホッとしました。
北川の薔薇園を継ぐというのは予想外でしたが(笑)
村西が御前会議に入れる様 手回しをしてくれる
話の通じる人で本当に良かったです。
能楽師である野村萬斎さんだからこその
所作や笑い方が八角という変わり者を
つくり上げていて本当に素晴らしかったです。
歌舞伎役者も多くいて言葉の一言一言に
とても重みを感じる作品でした。
原島という役のせいもあるでしょうが
萬斎さんや香川さんらが圧倒的過ぎて
あのミッチーのキラキラオーラが
全く感じられなかったのは ある意味驚きました(笑)
何度でも見たい満足のいく作品です。