「まさに「大人のための童話」」タリーと私の秘密の時間 とみしゅうさんの映画レビュー(感想・評価)
まさに「大人のための童話」
本来なら、そんな肩書きの付いた映画は観る気がしないのだけれど、ネタバレ無しで本作を評するのであれば、おとぎ話が一番しっくりくる。
3人目の子供を妊娠しているマーロに訪れるさまざまな困難に、見ていて涙が出てきた。
パートナーのクレイグは、決して悪い人間ではない。
だが、結果的に子育てはマーロのワンオペ状態。
ギリギリの状態に追い込まれたマーロがベビーシッターの力を借りたところで、誰が批難するだろうか。
タリーはまさに万能のシッター。彼女の献身的な仕事のおかげで、マーロは少しずつ余裕を取り戻していく。だが…
おとぎ話は、必ずしもハッピーエンディングを迎えるとは限らない。
本作のエンディングも、単純な「めでたしめでたし」ではない。
だからこそ胸に響くものがある。
シャーリーズ・セロンは、体重を大幅に増やして本作に臨んだらしい。まさに身体を張った熱演。
天気のせいか空席が目立ったけれど、もっと大勢の人に観てほしいなぁ。
コメントする