「要するに主婦版『フ◯◯◯◯◯ブ』」タリーと私の秘密の時間 よねさんの映画レビュー(感想・評価)
要するに主婦版『フ◯◯◯◯◯ブ』
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仕事と家事と2人の子育てに超多忙な主婦マーロは3人目の妊娠を機に仕事を辞めるが、発達障害を持つ長男ジョナ君に振り回されて毎日ヘトヘト。心配した弟のクレイグは彼女に夜勤のベビーシッターを雇うことを薦めるもマーロは拒否。3人目の娘ミアが生まれいよいよ疲労の限界を感じたマーロはクレイグから教わったベビーシッターに連絡を取ると、現れたのはタリーという若い女の子。タリーは超有能で何もかも完璧にこなしてしまうだけでなくマーロの胸の内を見透かす不思議な雰囲気を持っていて、タリーと何日も夜を過ごすうちにタリーがかけがえのない存在になっていく。
『アトミック・ブロンド』から一転、ブヨブヨの体になってドロドロに疲れ切ったお母さんをものすごい自然体で演じるシャーリーズ・セロンも凄いですが、タリーの影響でマーロが少しずつ元気を取り戻していく様を優しく見つめる映像が物凄く美しい。様々に散りばめられたパズルのピースのようなカットやセリフが最後の最後で観客の脳内で一気に組み合わさって、これが主婦版『ファイトクラブ』だと一切の答え合わせも提示することなく気付かせる巧みな演出に唸りました。傑作です。
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