カーゴのレビュー・感想・評価
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詩的な美しさのあるゾンビ映画
ゾンビ映画だが、ゾンビとの闘いが中心の作品ではない。人間同士の争いも描かれるが、それも話の中心というわけではない。ゾンビにかまれた男性が幼い赤ん坊のために、何ができるかを限られた時間で探し求め旅をする。荒涼としたオーストラリアの大地で、男は幾人かの人間と出会い、赤ん坊を安全を願う。アボリジニの少女との出会いが福音的に描かれるのが印象的だ。そしてそこには先住民族に対する白人の贖罪意識ものぞかせる。やや抽象的だが「魂の旅」のようなものを描いた作品だ。
ゾンビにかまれるとゾンビ化するのはお馴染みの設定だが、本作では約48時間の猶予があるのがユニークだ。その残されたわずかな時間で、残された家族に何ができるのかを本作は問う。派手なアクションはなく、淡々と物語は進むのだが、タイムリミットの導入が作品にスリルを与えている。泣けるゾンビ映画も珍しくなくなってきたが、本作も秀逸。ゾンビのいる日常とはどういうものかというシミュレーションとしても面白い。
マーティン・フリーマンがいい仕事してる!
ゾンビ&コロナ禍のような映画。感染から娘を守るべく彷徨う父、マーティン・フリーマンの演技が秀逸。結局アボリジニーやインディアンのように自然と共生してきたものだけがサバイブできるのだ。
新鮮ではあったけれど
これまで観たゾンビ作品とは趣向が異なり、人間愛を全面に押し出した作品。恐怖やグロが主役ではないとういう意味で新鮮ではあったけれど、個人的にはこれまで観てきたオーソドックスな内容の方が好みであった。やや物足りなさを感じてしまった。
思ってたより、感動しなかった。
とあるYouTube動画で紹介されていて、ざっくりしたあらすじは知った上で鑑賞しました。家族環境的にはアンディと似ているので、大号泣する気満々で見てたんですが、思ってたより全然感動しなかったです。。うーん、残念。。
奥さんケイとアンディの関係性、 娘ロージーとアンディとの絆やアンディのロージーに対する想い、とかそれぞれの家族の関係性があんまり掘り下げられてなかったので、いまいち感情移入でぎず、感動できるだろうポイントが感動できなかったですね。。
鑑賞後に、原作の6分の短編映画作品も見ましたが、伝わってくるものはこの長編作品とあまり変わらず、長編にした意味って何だったんだろうと感じました。むしろ、タイトルのカーゴの意味するところに関しては、短編作品の方が鮮烈に伝わってきました。
「大地と精霊」とゾンビ
妻が不治のアンデッド菌に感染してしまった。しかも幼子もいる。さあ、どうするってストーリーが軸。新型コロナウイルスが猛威をふるっている今だから、父親の不安が手にとるようにわかる。感染したら幼い一人娘を誰も面倒見ることができなくなってしまう。
感染した妻がゾンビ化するまでの猶予時間は48時間。この世界では、ゾンビ菌に感染した場合のキットが配布されていて、ブレスレッド式タイマーで残り時間を確認する。ゾンビを避けながら僅かな希望をもって治療できる施設を探さないといけない。
ゾンビも怖いが、人間同士も信用がおけない。これもコロナ騒乱の今だからよくわかる。ゾンビ映画を見て怖くてゾクゾクするんじゃなくて、近い将来をデフォルメして見ているようでブルーになる。
この映画では、オーストラリア先住民のアボリジナルが鍵として出てくるが、アボリジナルが代々受け継いできた「大地と精霊」をもって、ゾンビというものを理解しようとする。感染症に対しては、医学的、科学的な対策は必要だが、心の拠り所をもって対峙することも大事なんだなと思ったね。
静かなゾンビ紀行
未知のウイルスが蔓延した世界。妻と娘と共に軍事施設を目指すアンディはある日転覆したボートを発見し…。
M・フリーマン主演作。静かな映画でゾンビ映画の中でも感染した男が何を残すのかをメインに描いているため物語は地味ではあるが広大な平原の風景はただただ綺麗でした。
なるほど…「CARGO」とは、そういうことか…。
新しいゾンビ映画の形をみたなという感じです。
未知のウィルスによるゾンビ化で荒廃した世の中。小さな娘を抱え 残された時間をどう生きるか…。
様々な人達との出会いや別れを通して、妻に託された小さな命をどうやって繋ぐか…そして、主人公がどの様に生きたか…
少し切ないです。
こういった形のゾンビ映画は、新鮮さを感じるし、食い入るように観ました。
やっぱりマーティン・フリーマンは良い人が似合う!
ロージーは、きっと良い子に育つと思います(泣)!
一風変わったゾンビ映画
7分の短編映画を長編化した作品。
ゾンビ映画だけれども、ヒューマンドラマです。
元の短編映画をより丁寧に描いてました。
話自体は終盤まで盛り上がりに欠けるため正直全然面白いとは感じなかったし、ツッコミどころもある。
けど、ゾンビが溢れた世界で国から自殺用のキットが送られてたりと設定が細かく良かったです。
父親に焦点が当てられて派手なアクション等がないのが逆に良い。
細かい部分で泣き所をついてきて、最後の10分は泣いてしまいました。
長編の方を見なくても、短編映画で十分だと思いましたがマンネリ化したゾンビ映画が多い中一風変わった視点、設定、ストーリーで良かったです。
ありふれたゾンビホラーとは異なる傑作
今では蔓延しているゾンビもののジャンルですが、そこに一石を投じる素晴らしい発想の作品
元は数分ほどの短編作品だったものをNetflixが長編へとアレンジを加えたもの。
主演はマーティンフリーマンとあって演技は申し分なし。
原作をただ長編に引き伸ばしただけでなく、途中で聞いてくるエッセンスや伏線がつながり、最後にはゾンビ映画では味わったことのない感覚が心に残るはず
ゾンビ作品で最も好きになった
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