「お花畑映画」ピア まちをつなぐもの koukaさんの映画レビュー(感想・評価)
お花畑映画
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ピアとは、対等者などの意味を持つ英単語。主人公のケアマネが最後に多職種が集まった担当者会議の場で利用者家族に誇らしげに「私たちはピアだ」などと話していたが、彼女の言うピアはその言葉の意味をはき違えているとしか思えなかった。
親の病気により、大病院から町医者にならざるを得なくなり、そのギャップに気が付かないもう一人の主人公である医師。治療して治すことが最も必要とされた現場から、治療以上に生活を支えるということが重要となる在宅の現場に対して適応できない医師に対して、初対面とも思えない態度で罵倒し、在宅の現場を知らないと罵るケアマネ。悩み成長した医師に対して、自らを捉え返すことなく、自分の価値観を押し付けて(利用者家族に対しても)いくケアマネ。いたるところに顔を出し(医師もヘルパーも同様)、職責以上の自己主張をする姿を見て、これが求められるケアマネ像とされたらと思うにつけゲンナリとせざるを得なかった。
利用者の最後の願いで、多職種が共同して家族揃って公園の花畑にピクニックにいく為に協力する姿は、多職種連携の理想的な姿だとは思ったが、同時にそれはあまりにも理想化されたファンタジーでもあり、最後のお花畑はこの映画の本質を語るものだと思えてならなかった。
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