「今年1番衝撃を受けた。最も衝撃を受けた場面と、LGBTに関する7年前からの変化について(追記 舞台挨拶で監督が7年前からの変化が感じられるかもと言ってたので)」カランコエの花 マサヒロさんの映画レビュー(感想・評価)
今年1番衝撃を受けた。最も衝撃を受けた場面と、LGBTに関する7年前からの変化について(追記 舞台挨拶で監督が7年前からの変化が感じられるかもと言ってたので)
残念なことを始めに言ってしまうと、LGBTで悩んでる者の悩みは7年前も今も全く変わらないと思う。回り(LGBTで悩んでいない者)は僅かだが変化したかも。
1番衝撃を受けたのは黒板の場面だ。
「桜ちゃんはレズビアンなんかじゃない」と叫ぶ月乃 (今田美桜)。 「うわ、桜ちゃんを守るつもりで桜ちゃんを否定しちゃったヨ」 と一瞬ボーゼンとなった ( ° 。° )。
そのあと黒板に書かれた「小牧桜はレズビアン」の文字を消しちゃうとこなんか、桜の存在そのものを消しちゃう行動に見えたヨ。 桜がレズビアンであることは決して桜と切り離せない。それは桜の尊厳に関わることだ。大好きな月乃に桜自身を否定され消されてしまう場面なんて凄いショックで声も出ないよ。しかも桜はそれを目の前で聞いて見てるんだぜ。オレの心はズタズタだよ。悲しすぎて涙も出ない。
2人乗りでの夕暮れの無言の告白(?)の場面と、鏡台の前で母親からカラコンエの花言葉を聞いて桜を守ろうと(?)決意する場面も好きだ。
LGBTに対する理解が遅々として進まないように思える。変化が実感できず、何も変わってないのではとさえ思えてしまう。
しかし、この映画を見ると7年前の2016年(公開は2018)よりは、回り(LGBTで悩んでいない者)に多少の変化・進展があったのかもしれないと思った。「わずかに」というより「かすかに」と言った方がよい変化ではある。
というのは、今もし映画と同じことが起きたとしても、回りの反応がもう少し穏やかになるのではないかと思ったからだ。
最初に級友の秘密を知った生徒も主人公も悩みはするが、もう少し軽いものになったのではと思った。1人でかかえて思いわずらわずに、友だちや花ちゃん(保健のセンセ)、母親に相談したのではないかと思う。
もし7年後の今この映画が作られたら、高校生の月乃もバス停で、「桜ちゃん、あなたが私を好きなのは嬉しいけど、それに応えることはできないゼ。あーたがレズビアンでも私たちの友情は変わらない、ずっとマブダチだぜ。友情のシルシにこのカラエンコのシュシュをあげるよ。花コトバは ”あなたを守る” さ。アタイだと思って大事にしてくんね」なんて笑顔で言えたかもしれない。
花ちゃん(保健のセンセ)の対応も、気負ってアレコレするのではなく、本人の話を聞くにとどめるみたいなことになったのではと思う。
私が7年前の映画を見て感じた「微かな」変化なんてのはこんなもんだ。
私も7年前は、LGBTという言葉を知っていたかどうかさえも怪しい
私は映画館と地上波でしか映画を見れないから、立川シネマシティさんが 「少女は卒業しない」公開記念で上映してくれて嬉しかった。