劇場公開日 2018年7月14日

「映画ならではの見せ方の工夫が良い」私は、クロード・モネ あき240さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5映画ならではの見せ方の工夫が良い

2018年7月31日
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鑑賞方法:映画館

画家としてのモネの人生を、彼の手紙を読み上げるのみの一人称で展開します
少し冗長でいささか眠気も催しますので星半個差し引きました
映像は彼が赴いた各地に実際にカメラを置き、彼が作品を描いた実際の位置で構図と時間を合わせ、光、雲、大気の具合を、おそらく彼が見たその光景を撮影して見せてくれます
そしてその彼の作品がオーバーラップして差し換わっていく演出は見事です
あたかも、彼がキャンバスに写し取ろうとした実際の光景が乳化剤か何かを流し込まれてそのまま凝固して彼の絵画になったかのような効果をみせます
そして同じ場所の同じ構図の連作になると、時間を追ってかわる陽の色具合の変化、靄の見え方の変化していく様を連作が連続してオーバーラップして行き時間の変化による印象の違いをどう彼が掴みとってキャンバスに描いてみせたかを視覚効果で明らかにしてくれます
これは彼の作品の理解にとてもつながり、嬉しい仕掛けです
モネの絵のファンでしたら、ぜひご覧下さい

あき240