劇場公開日 2019年4月20日

  • 予告編を見る

「ゴダールについてはほとんど知らない」イメージの本 kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5ゴダールについてはほとんど知らない

2020年5月22日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 あれでしょ?たしかフランスの国際空港・・・それはド・ゴールですから!くらいに知らない。とにかくコラージュのオンパレード。どこを切ってもコラージュなのです。ところが最後にアラブやイスラム教というテーマになってからは、ちょっとだけストーリーがあった。石油を産出しないアラビア半島の小国ドーファ。もしやドーファの悲劇?などと思っていたら、なんと架空の国。なんだかやられてしまいました。

 戦争、民族、宗教、哲学とか様々な語られた言葉をも織り交ぜ、映画のワンシーンを見て何を言いたいのかを探ってみようと・・・しかし、わからない。第1章のリメイクだけでも難解すぎるのです。眠気をこらえ、ようやく資本主義の構造や愛と隷属、革命、テロ。見えないものが見えてきそうで、まとまらない。

 途中、気になる言葉がありました。対位法と和声法。独立した音を組み合わせて使い、音が和音を奏でる手法、そして和音を中心にしてメロディを組みたてる手法。この手法がコラージュの方法そのものなのだと思ってもみましたが、いかんせん、もう最終章のベン・カデムの物語になってしまいました。

 そんな無差別的な配列の中にも男と女のワンシーンが必ず入ってたような印象があります。結局は愛がないと世の中は成り立たないということですよね。希望という夢を追い求めるにも愛が必要。最後に残るのは愛だけかもしれません。

kossy