「言葉遊びは日本語の粋だ」騙し絵の牙 Kさんの映画レビュー(感想・評価)
言葉遊びは日本語の粋だ
社内の権力闘争を基軸としながらも、それに負けない編集者の文学愛がしっかりと描かれており、意外にも爽快であった。目指したい何かは誰にでもあり、そのためには手段を選ばず仕掛け、時には牙を隠して付き従い、理想を見失っても思い出し、夢の実現のために動く。飽くなき理想を追い求める人間を礼賛するストーリーであった。
言わずもがな、トリックのからくりとスピード感は秀逸であり、コメディのすぎないところも、色恋に逃げないところも好感を持てた。
やはり言葉遊びは日本語の粋だと思った。
他、満足げに煙草を吸い始めるシーンが「理想を実現した男」感を醸していてとても良い演出だと思った。
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