劇場公開日 2021年3月26日

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「所詮はビジネスはビジネス。人を幸せにするものではない。」騙し絵の牙 はるさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0所詮はビジネスはビジネス。人を幸せにするものではない。

2023年6月14日
PCから投稿

舞台は落ち目の出版業界。奈落へと加速することを止められないのは古い業界人。既得権益にしがみつき権謀術策だけで乗り切ろうとする輩。そして、主人公はライブ感満載の不届きな中年おやじ。大泉洋をイメージして作られたと解説に書いてあったが、なんともはや僕のイメージとは程遠い。どうしたって緻密な計算に則って行動できる人物には思えないからだ。行動の訳を新人の女子社員に聞かれて「面白いからだ・・・」ぐらいしか言えない。さしあたって「それは偶然なだけだ・・・」ぐらいのセリフを吐けば、観察眼の賜物だと言うことの意味合いが身に沁みるのだけれど・・・似合わない役柄を狭量の役者に当て込むのは見るものをコケにししまう。
出版ビジネスが面白さを追求することでバブル期の爆発を再現できると思うのは愚か者の幻想。あの時期を忘れ去ってしまえる者だけが生き残れるのだ。
上に登っていくことが"善"ではないし、言わずもがな下っていくことが"悪"ではないはず。

はる