劇場公開日 2021年3月26日

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「社会派とはいえない、業界エンタメサスペンス」騙し絵の牙 kazzさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0社会派とはいえない、業界エンタメサスペンス

2021年5月5日
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鑑賞方法:映画館

意外と面白かった。
主役は松岡茉優だったのね…

文芸出版社の創業家社長が急逝したことで勃発した利権騒動を背景に、型破りな“流れ”編集長(大泉洋)がカルチャー誌を舞台に展開する大胆不敵な商売戦略を、文芸誌から左遷されてきた編集者(松岡茉優)の目線がその是非を問う物語構成。

大泉洋で当て書きされたという原作小説は未読だが、原作どおりなのだろう大泉洋はいつもの大泉洋だった。他の役者を配役する冒険があっても良かったのではないだろうか…
脇役のベテラン陣がそれぞれ良い。
特に、小林聡美の小ワザがサスガの上手さで、國村隼がお見事な振り幅を見せている。

巧妙どころかほとんど詐欺的なトリックには、まんまと騙される。
大泉洋が仕掛けた転覆劇は、出版社を守るためでも創業家を守るためでもなく、ましてや文学を守るためでもない。彼には正義など存在せず、人の裏をかくスリルに身を浸しているように見えた。
その反駁として、本当のどんでん返しは、松岡茉優の書籍愛だったというのが、アッパレ。

kazz
pipiさんのコメント
2021年7月6日

これは、原作とあまりに違い過ぎてガッカリしましたー。

と、言いますか、映画のラストや主人公の人間性があまりに疑問だったので、鑑賞後に原作を確認したのですが。

「大泉洋のアテ書き小説」
映画とは人物像も、人物達の行動の動機もまるで違う、かなり面白い作品でありました。

原作と映画は別物とは言え、もう少し原作の良さを残せなかったものか残念です。
出演陣の演技はみな良かっただけに、脚本さえ違えば名作になっただろうと思いました。

pipi
だるまんさんのコメント
2021年5月5日

「そんなに騙されなかった」というレビューが多いですが、予告でハードル上げていなければ「けっこう騙されます」よね?
もちろん、予想の範囲もありますが、その予想を超えたことは間違いありませんよね。

だるまん