「「騙し」要素は…?!」騙し絵の牙 こっこさんの映画レビュー(感想・評価)
「騙し」要素は…?!
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この作品の根幹に有る近年の日本の出版業界の厳しい状況は、その世界の人間ではない私にでも容易に想像できる。
読書を愛する者の一人としても、この物語が提示している諸問題は非常に心を傷めているし、未来を考えると暗澹たる気分に成る。コメディではあるが、この部分だけは真剣に私達が突き付けられている課題だと思った。
さてそれはさておき、大泉洋主演、大泉洋の為に作られた原作だが、実質的に松岡茉優さんが主演と考えて差し支えないと思う。
本を愛して、生真面目に突っ走る新米編集者役の彼女は出色の演技。
最近は「ど真ん中の主役」が減ってきた感が有るが、彼女の実力を過小評価しているテレビや映画関係者には、怒りすら憶える。
また脇役も手堅いキャストで、國村隼さんや小林聡美さん等、大いに笑わせてくれた。
…と、ここまでベタ褒めしてきたのですが、星三つの理由は「騙し」の要素が薄過ぎること。
騙し展開が全く無いとは言わないが、良く整理された脚本のお陰なのか、かなりスムーズに物語が展開するため、「ホホ~ゥ」と話の捻りを楽しんでいる内に「おしまい」。
「アッと驚かされる展開」を期待してきた自分としては、正直エンドロールで「これで終わり?!」と呟いてしまった。
その点だけが残念…。でも、茉優ちゃん、これからも頑張れ!!
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