「なんのために歩むのか」ALONE アローン marさんの映画レビュー(感想・評価)
なんのために歩むのか
ワン・シチュエーションものってことで、
どうしても比べてしまうのは「127時間」と「リミット」。
この2つと大きく違うのは、”動けない理由”だったと思う。
上手いなあと感心してしまったのもまさにそこで、
主人公も犠牲やリスクを受け入れれば動けるってとこがスリリング。
これは物語序盤で早々に相棒(親友)が選択したある決定的な行動が効いていて、
主人公もそれを選びかねないしっていう緊迫感もあったと思う。
地雷は”人生の歩みを邪魔するもの”のメタファーでもあって、
誰の足もとにもあるそれを踏んだとき、どんな行動をとるのか。
もちろん一歩を踏み出す勇気も大事だろうし、慎重な行動も大事だろう。
ただ残念なのは主人公のトラウマとそれの克服ってとこが弱かったかなと。
個人的にあの父親には許せる余地を見出せなかったので、
そこが赦しというより「いろいろあったし疲れたからもういいや」って感じがしてしまった。
何通りもエンディングを作れただろうと思うプロットだけに、
このパターンを選択してくれたってことにも好感がもてた。
もうちょっとと思う部分もないわけではないけど、間違いなく良作だと思う。
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